第9章 であい
ばさっ
「このドレスは気に入りませんでしたか?」
「気に入らないとかじゃない···何で帰らせて····!」
ぴとっ
「君は私の···妻に相応しい」
「妻!?··私達は初対面ですよ?!」
「はい初対面ですが貴女に流れる血が私の活力となる···着替えさせてあげますか?」
「着替えます!(話が見えない!)」
「言い忘れた事がひとつ、君の首筋に噛んだ跡がありますが」
「····ぇ」
にこり
「我が吸血鬼一族のシルシが浮かびますから、晴れて君も魔界の一員ですよ」
「·····ちゃんと着替えますからちょっと部屋から出てくれますか?」
「わかりました我が妻よ」
パタン····
(嘘だよね···?)
平凡な家庭に生まれ両親に焼き菓子作りを教わり、それを皆に食べて幸せになってくれるそんな日々から