第39章 生まれた意味
でも
(何だか安心したような顔で寝てる)
コソッ
「覚えてますか?··今日はあなたの生まれた日なんですよ···生まれてきてくれてありがとう」
ーーーー·····
ぎゅぅーーーー。
「あっ··あの澁澤さん?」
「···離しません」
あの夜からかなり抱きつかれる。
「何か私やらかしましたか?」
「やらかしたよ」
「ふぇ!?··それって··。」
「嘘だよ」
びしっ
「嘘かーい!」
「ふふっ。··天音は愉快だね。」
「澁澤さん··怖い事言わないで···ひゃっ!」
ドサッ
「···今日が何の日か私は分かる」
「····えっ··と(何か様子がおかしい··)」
ギシッ
「今日は··私が生まれた日··そして」
「······っ」
「1人の人間"澁澤龍彦"になる日だ··愛してるよ」
「澁澤··さん···っふ」
重なる唇と手
「生まれてきてくれてありがとう··私の天音」
❦ℯꫛᎴ❧