第36章 かぜっぴき
朝部屋に入って
澁澤さんを起こす。
だけど今日の澁澤さんは澁澤さんではない。いや
本来の異能力なんだろうか、ならば私に出来る事は
すっ
なでなでなでなで
「こわくない、こわくない」
ぴくっ
「···私が怖くないのか?」
「貴方は澁澤さんですもの··着替え必要ですね。あ〜あ〜服がビリビリ」
がたたん
「ーーー!」
気づいたら、電車にいた
ぷしゅー
「束の間の現実はどうだったい?」
「おい···!」
ぱたん
がたたん
がたたん
「······っ」
(優しい手をしていた)
体の私はあの女の隣にいる。
見たことがない顔をしながら
がたん、がたん
がっ
(····私だけの"記憶")
たん