第22章 花嫁
「さて行こうか」
「あの、··」
「どうしたんだい?」
「····この服は···」
何故か私は黒いコートを頭から被された。
(フェージャさんみたい)
「あぁ天音はまだ魔界に来てそんなに日も経ってないからね。このコートには私の魔力が付いてるから人間とはバレないよ」
「そう、ですか(そうだったここは魔界。)」
私は澁澤さんのお嫁さんになったんだ。
(分かってはいたけど。)
「天音が必要だと思う品と日用品諸々買いに行こうか」
「···はい(焼き菓子作れるだけ有難く思わないとね)」
「まだ怖いかい?」
「ふぇ?」
「天音が慣れるまで私は手を出さないよ」
「怖くはありませんよ(言葉と手が逆)」
さわりさわり
(柔らかい。)
「さ、触りすぎです」
ぎゅん
「つまみ食い可能?」