第20章 ねここ
なで、なで··。
「そうだね。君は誰かの飼い猫ならちょっとした散歩に来たんだね。ちゃんとお家に帰るんだぞ?···あっ!」
私はクロネコをテーブルに乗せて引き出しを開ける
「うん、とても似合うよ」
引き出しにあった赤いリボンをクロネコの首に取り付ける。
「今日来たお品ね。」
「なぁーん··」
クロネコは私に近づき
···チュ··ぺろっ
「お礼なんていいのに~またおいで」
そう話しながら私は抱き上げ撫でる
ーーーーーー·····
「お前の首に付いてるリボンどうした」
「これ~?これは。私と飼い主だけの"飼い猫"の証さ」
「そうか(だから最近天音の匂いが染み付いてるのか)」
ーーーーーー·····
「最近太宰くんの首に付いてるリボンは何処ぞの?」
「そうだよ。私に寄り添う女性から頂いたのさ!似合うかい?」
「ある意味太宰くんらしい色ですね」
ーーーーー····
からんからん
「·····おや?」
ちょこん
「みゃー」
「また来たのかい?おいで」
私の飼い主は
とても優しいよ。
❦ℯꫛᎴ❧