第19章 みつけた
上が空と雲···
チャプ···
「つめたっ」
流れる音に足が触れる
(ほんとに初めて海を見た顔をしてる)
深い海色は本物を知らない
ポツリ
「····お母さん···」
チャプ···チャプ···
「天音?」
「···澁澤さん」
「····」
「ありがとうございます」
「···綺麗だ」
「?」
ばしゃっ
パシッ
「天音、私の物になってくれ」
「えっ」
「私の欲しい物は君の深い海色の目···だけど目だけでは私のコレクターは満たされない。だから君が欲しい」
ざざぁん···。
「そ···それはほんとの言葉?ですか··?」
「ほんとの言葉なのか分からない··ただ浮かんだ言葉を口に出しただけ」
キュッ
「そしたらその"言葉"を見つけませんか?」
「見つける?」
「はい、今日初めて私を海に連れて行ってくれたお礼に私が澁澤さんと一緒に"答え"を探しますよ?」