第19章 みつけた
「ありがとうございます」
からんからん
「君は甘い物が好きなのかい?」
「はい!よく自分で焼き菓子やケーキ作りますね、ただ今働いてる所では作れないから自分の家で作ります」
(···ふわふわ、ふかい海色)
欲しい
「あの、君の名を聞いていいかい?」
「はい!私は··天音、小吹天音」
天音··
天の音
「天音···いい名だ」
「ありがとうございます」
「私は···龍彦、澁澤龍彦だ」
「龍が付いてるんですね··かっこいい名前です!」
「····天音、君は海を見たことあるか?」
「えっ」
「何だかね、君の瞳を見ると何故だか海に行きたくなるんだよね」
「それは···澁澤さんが··海を案内してくれるんですか?」
「あ··うん··君が行きたいなら」
「私を··海に連れて行ってください··!」
その時の天音の瞳は···
確かに··今まで見た宝石よりも輝いて··綺麗だ
「···綺麗だ···天音」
そして知らない人を···私は···
「澁澤··さん?」
口を閉じた