第16章 みじかい IV
「夢で私は君を抱きしめ、言葉を交わしたつもりが···ぐぅ··」
「···寝てるーー!··窓ガラス代ぐらい請求していいよ··やめよ」
澁澤さんを起こさないように、立ち上がり
(··ひとまず)
布を割れた窓に貼り付け
散らばった破片を片付け
(私が、貴方をひとりにするはずないでしょ)
なでなで··
「おやすみなさい。」
ーーーーー····
朝目を覚ましたら、夢なのか分からないが
むにゅ···
(えっ··夢···?)
天音に抱きしめられていた。
やわらかい感触がする
うずうず··
(噛み跡··だけはいいかな?)
あー···がぷっ
ーーーー····
ふるふる
「澁澤さん!噛み跡はいけないってあれほど!」