第14章 さつえい
(····太宰の言う通りだった)
気づかれないように、足音を殺して、その場を去る。
誰もいない部屋に入り座り込み
(あっ、そうか。澁澤先生が天音を担当者にした理由は···"自分をみてくれる"からだ)
答え合わせを自分なりにして気持ちを抑えた。
ーーーーー·····
「遅くなりましたね。今だと夕飯時ですから先生は先にお風呂入ってください、あれ?」
「どうしたんだい?」
「隣に灯りがついてますね」
「隣の隣人か、今日は家を空けていたからね。挨拶は明日来るだろ」
「そうですね(誰だろ)」
「····気になるんですか?」
「えっ、いえ···」
「大丈夫だよ防音バッチリだからね。隣人との距離は開いてる···おや?」
ふるふるふる
「····ば、おばかぁ///」
むらっ
(明日は天音は休みだから、いいかな?)