3年滅組、それは問題児の集まるクラスでした。/ 鬼滅の刃
第1章 3年滅組
が。
「………ねえ、先生」
カッカッカッと教室全体に音が響く中、時透くんの覇気のない声が発せられる。
「それさ、昨日やったところなんだけど」
「え、嘘!?」
その指摘に慌てて振り返る。気が動転していたのだろう。いつもなら有り得ないミスだ。真っ赤な顔で教科書をパラパラと捲る彼女を見て、不死川がチッと舌を鳴らす。
「てめえ……を誘惑してんじゃあねェ」
「別に誰のもんでもないだろ」
さらりとそう言ってのける宇髄だが、どこか楽しそうであるのは確かだった。