3年滅組、それは問題児の集まるクラスでした。/ 鬼滅の刃
第4章 不穏な足音
「せんせ」
…………ああ、誰かが呼んでる。
「せんせ、起きろって」
宇髄くんかな。それとも不死川くん?
「起きなきゃ襲うぜ?」
ゆっくりと瞼を開く。視界に入ったのは学校でも教室でもなく薄暗い倉庫だった。だんだんと蘇る記憶。そうだ。誰かに背後から襲われて布を嗅がされたんだ。そして意識を飛ばした。
「…………っ、なにこれ」
気が付くと手足を紐で縛られて、壁を背に座らされている。両手首は背中で、両足はまるで体育座りのように膝を立てて拘束されている。
きっと意識を失ってる間に縛られたんだ………
の傍らには脱がされたであろうヒールが転がっている。
「なー、まじで少しも手出しちゃだめなのかよ?」
「あー先生とヤりてー」
柄の悪そうな二人の不良が舐め回すような視線を向けてくる。
「だめに決まってんだろ。総長にぶっ飛ばされんぞお前ら」
もう一人の男がの学校用の鞄に手を突っ込みながら取り出したのは携帯。
「………っ、宇髄くんは何処なの」
はその男をキッと睨み付ける。
「あんたが大人しく言うこと聞いてくれたらすぐ会えるって。とりあえず電話して」
………電話?何処に?
「熱でも体調不良でも何でもいいからさ」
詳しい説明もなく男が腰を落としての耳に携帯を押し当ててくる。困惑する。プルルル……と呼び出し音が流れる。
『───はい、鬼滅高校です』
学校………?
ああ、なるほど。そこではようやく気付く。
───さすが先生。来ると思ってたよ。
私がここに来ることは最初から仕組まれていたんだと。
───熱でも体調不良でも何でもいいからさ。
そして学校に事態を悟らせない為、あえて私から電話させるのだと。
「…………です」
は一度唇を噛み締めた後、ゆっくりと電話の相手に向かって話し始めた。