3年滅組、それは問題児の集まるクラスでした。/ 鬼滅の刃
第4章 不穏な足音
「……………本当か?」
「ああ、間違いねー。この1ヶ月ずっとあいつに張り付いて突き止めたんだ」
とある錆びれた廃墟倉庫。
人目を避けるようにひっそりと佇むその場所を拠点とするのは、ある高校の銅鑼(ドラ)という名の不良グループ。目的の為ならどんな手段も厭わない極悪非道な集団だ。
「喧嘩もしねーし女とも遊ばねー。てっきり引退でもしたのかと思えば番長の座は未だ健在中……要は学校でお勉強してたってわけだ」
「…………へえ」
積み重ねられた廃材の上に座り片膝を立て、うまそうに煙を吹き出す男が眺めるのは、仲間が掴んできたという一枚の写真。
そこに写る、綺麗な女。
突然舞い込んだ獲物に、男の口角がゆっくりと上がってゆく。
「成る程なぁ……どおりで最近あいつの噂を聞かねぇわけだ……」
楽しそうに喉をクツクツと鳴らすその目は写真の中の女……いや、獲物を捕らえて離さない。
「………間違いないんだろうな?」
夜の倉庫。ゆらゆらと上がる紫煙の中、怪しく光る目を向けて再度確認してやれば、仲間はゆっくりと頷いた。
「断言する。この教師は必ず宇髄の弱味になるぜ」
不穏な足音が今、達に忍び寄る───