第11章 ◇10話◇逃がさない
「!!」
大声で名前を叫んだ。
今の彼女が、今までのようにそれに笑顔で返事をしてくれるとは思っていない。
それでも、姿は現してほしいと願った。
でも、執務室の中にも、寝室にも、の姿はどこにもなかった。
漸く帰ってきてくれた大切な人の姿が、またリヴァイの前から消えたー。
「ニファッ!!調査兵全員に命令だ!!
今すぐの捜索に取り掛かれ!!なにがなんでもを見つけろ!!」
「は…っ、はいッ!!」
ニファが焦った様子で部屋から飛び出していく。
ハンジなら強硬手段に出る可能性があることも分からなかったわけじゃない。
目を離した自分の責任だー。
リヴァイは、髪を痛いくらいに握りしめ、唇を噛む。
が死んだなんて、そんなこの世で最も最低な嘘で苦しむのはもう二度と御免だ。
死んだ方がマシだと思う地獄に放り込まれるくらいなら、自分に怯えるに傷つけられた方がいい。
その方が、ずっと、ずっと幸せだと言える。
が生きているなら、それだけでいいー。
だから、お願いだ。
もう二度と、消えないでー。
ひとりに、しないでー。