so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
目の届くところにいてくれるのなら何よりの安心だ、何もないに越したことはないがもしも何かあった時一番近くでジゼルを守りたいとリヴァイは強く胸に刻むようにして思う、それは夢だったか現実だったかはわからない。
ジゼルはリヴァイに向かって手を伸ばすとまるで聖母のように微笑んだ、月明かりに照らされた金髪が光り、彼女の周囲を輝かせているようだった。夢なのに、夢ではない、そんな錯覚。不思議な感覚に体がふわふわと浮くような気がして少しの不快感がリヴァイを襲う。だが暫くしてこちらに目を向けていたジゼルの顔が歪む。それはこちらに迫ってきているナニカに恐怖しているようで。目を凝らしながらジゼルを見詰めていればジゼルのきめ細かな頬に涙が伝って落ちていく。
おい、なんで泣いてる。と思わず手を伸ばしかけたリヴァイだがジゼルは涙を流したままリヴァイの手を見詰めているだけ。そして瞬く間にジゼルは闇の中へと姿を消していく。闇から生まれて闇へと消えていくそんな恐ろしい幻に脅かされてリヴァイは目をカッと開けた。
夢、か?とまだ半分寝惚けたまま辺りを見渡す。自分の手を見下ろし拳を小さく作った。心做しか額が少し汗で濡れている気がして思わずこめかみを揉む。物騒な夢を見たものだ、しかし夢にまでジゼルが出てくるとはな、と自分自身を笑う。そして視界の端に見えた金髪は机に突っ走って眠っていた。疲れたのか、それとも体の限界が来たのか、とリヴァイは立ち上がりジゼルの顔を覗き込む。
大きくて透き通るような金色の瞳、吸い込まれてしまいそうな魔性の様な金色は今は固く閉ざされていて。むにゃむにゃと口を動かしながら眠るジゼルの頬に手を伸ばした。良かった、此奴はここに居る、と不思議な安心感がリヴァイを襲う。滑らかで柔らかな頬を摩り目を細めてジゼルの寝顔を見詰めていたリヴァイはふと窓に視線を向ける。もう明け方か、と太陽が少しだけ顔を出していることを確認したリヴァイは自分のジャケットをジゼルの肩にかけた。
爆睡してるジゼルを無理やり起こすほど鬼畜ではない。また作業に没頭されてしまえば今度は自分の睡眠時間がなくなると判断したリヴァイはジゼルのそんな寝顔をみつめ、自分もまた近くの席に座り直し目を閉じた。少しだけ肌寒い風がリヴァイの頬を摩る。それでも寒さに慣れているリヴァイはピクリともしない。地下街で生きた経験がリヴァイをそうさせる