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so ist es immer【Levi dream】

第3章 a beautiful nudity


自分を見て嬉しそうに微笑むのは後にも先にもこいつだけだろう、と珍しいものでも見るかのようにジゼルを見る。体は疲れていると悲鳴をあげているというのに心は新型立体機動装置を弄りたくてうずうずしてるのだろう。

「ガキ、少しは休んだらどうだ。」

「でも、あと少し……ほんとにあと少しで完成するんです。」

「そいつが完成したとしてもお前がぶっ倒れたとなれば意味がないだろ。お前がいない限りソレの使い方が分からねえんだから。」

「はい。分かってます。だけど……!ほんとに、もう、」

いくら言っても聞かないジゼルに最終的に折れるのは決まってリヴァイなのだ。はあ、と小さく溜息を吐き近くにある椅子を引きどかり、と腰を下ろす。あのクソ眼鏡も巨人の研究となれば寝る間も惜しんで研究に没頭するがこいつはこいつで新型立体機動装置を完成させる為に寝る間も惜しんで作業に取り掛かる。まるで隠れ奇行種だ、とリヴァイは機械を触っているジゼルを見て思う。

「あたしなんかよりリヴァイ兵士長の方が疲れているはずです。昼間も執務があったんじゃ…、それに明日は大事な臨時会議のはずです。あたしは大丈夫なのでリヴァイ兵士長は休んできてください。」

形のいい唇がゆっくりと動く。

「ああ、昼間は書類を抱えて執務に取り組んだ。明日は王都の豚共と会議がある。これ以上俺の仕事を増やしたくねえなら、先ずはお前が休む事だな。」

「……すみません。」

だが、ジゼルはその言葉に困ったように笑うだけ。変なところ頑固だな、と開きかけた口を閉じた。俺がこいつの何を知っているというのだ、と小さく拳を握る。

「気の済むまでしろ。俺は少し寝る。終わったら起こしてくれ、部屋まで送る。」

「はい!」

嬉しそうにふふ、と笑ったジゼルは俺から視線を外し昨夜と同じようにちいさな部品を細々と弄り始めた。リヴァイはジゼルが動く度にはらり、はらりと揺れる絹糸のような金髪に目を細めそして誘われるようにして瞼をゆっくりと閉じていく。一瞬で眠りの世界に旅立ってしまうのだからこれじゃあまるでジゼルがリヴァイの安定剤のようだ、とリヴァイは小さく自嘲した。

ジゼルはまるであの時、あの日、かつてのゴロツキだった頃のリヴァイが喉元から手が出るほどに欲した光のようだと思う。彼女が自分の視界に入るところにいればいつだって心は安らいでしまう。
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