so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
物騒な夢を見たせいかなかなか眠りに付けなかったリヴァイはまだ倉庫で眠っていたジゼルの寝顔を見下ろし、部屋を出る。会議に行く時はいつもより早起きだ、だがそのなんの意味もない、意味を見出しても結果的には何の役にも立たない王政のところに出向かなければならないという事実にリヴァイは朝から不機嫌だった。
「おっはよー、リヴァイ!あれ?また眠れてないの?隈凄いよ?」
団長室を開ければ朝から元気なハンジがリヴァイを見て大袈裟に手を振る。ハンジを見てげんなりとした顔をさせたリヴァイは確かに顔が疲れきっていた。リヴァイはハンジを暫く見た後ハンジの質問に答える必要は無いと思ったのかいつも座っているソファーにどかりと座り宙を仰ぎ見る。鋭い三白眼が宙を睨み、リヴァイはゆっくり瞬きを繰り返した。
「ハンジ、リヴァイ、来ていたか。では早速王都に向かうとしよう。馬車は手配してある、ハンジ、書記係としてお前の副官のモブリットを借りる。いいね?」
「お易い御用さ〜!使っちゃって使っちゃって!きっとモブリットも暇してるしさ!!」
「いい加減死ぬかもな、あいつ。」
ハンジの班は実験や研究を中心としているからか会議に行く時はハンジの班の誰かを借りる、その中でもモブリットはずば抜けて優秀な為会議にはほぼほぼモブリットも同行しているのだ。リヴァイが巨人についての報告書を大量に腕に抱えているハンジを一瞥し、そう言葉を紡ぐ。よくハンジの副官をして倒れないと思う、ハンジの生活習慣は最悪だと言うのに異動を考えないのが不思議だとリヴァイはいつもモブリットを見ていて思っていた。気の毒そうに、そして変わった人間もいるもんだ、とモブリットを思い出した。
「そんな事ないって!たしかに最近食事が喉を通らないだの朝が起きれないだの言っちゃってるけど本人は至って元気。昨日も徹夜して今日の会議に必要な書類をまとめてくれたんだ、優秀すぎて困っちゃうなあ、全く!!!」
「…はあ、ハンジ。お前は少し自分の班員を労わってあげなさい。リヴァイが言うように本当に過労死してしまうだろう?」
「大丈夫だって、多分。」
へらり、と笑いながらそう言ったハンジに溜息をついたエルヴィン。だが窓の外を見たエルヴィンは行くぞ、とでも言うかのようにして調査兵団の紋章を背負うマントを被る。リヴァイも面倒臭そうに立ち上がりエルヴィンの後を続いた。