so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
エルヴィンはといえばぺこりとまたもや頭を下げるジゼルの仕草が小鳥の様で静かに微笑んでからおやすみ、と口を動かした。そしてジゼルはリヴァイとエルヴィンが話すのを最後に食堂から踵を返していく。自室に向かうと思われたジゼルの行動だったがジゼルが向かったのは室内に設置されてある倉庫。
今日は新型立体機動装置の作業が全く進んでいなかった為、今日こそは、と意気込むかのようによしっ、と小さく気合を入れたジゼルは静粛した兵舎を駆け走る。誰かの部屋の前では忍び足で向かい遠目から見ればそれは不慣れな忍者のモノマネの様だった。
倉庫の前に着けばエルヴィンから預かっている鍵を使い扉を開ける。そこには新型立体機動装置が寂しがっているかのようにしてキラリ、と輝きながら待っていた。ジゼルは頬を緩ませると新型立体機動装置を撫で作業に取り掛かる。後、もう少しで人類の希望が完成する、完成した時の皆の嬉しがっている顔を見たい、とジゼルはふふ、と笑ったのだった。
ジゼルが去ったあとの食堂ではすぐに意識を取り戻したハンジがジゼルは?とまたもや興奮状態に陥り見兼ねたリヴァイがハンジに蹴りをお見舞させた。ハンジは満足そうに気絶し、肩に担がれたエルヴィンによってこの場からあっけなく退場したのだった。はあ、と溜息を零したエルヴィンはハンジを見て再度溜息を零す。
「リヴァイ、私に面倒な仕事を押し付けないでくれ。」
「なら、そこで気絶してる奇行種に言え。俺は何もしてない。」
「ハンジの人間観察も役に立つが…、1つ使い方を間違えてしまえば恐ろしいものだな。」
「立派な犯罪だろうが。」
腕を組み流そう言ったリヴァイはエルヴィンが片手にハンジ、片手に今日の夕食を持っているのを見て苦労が耐えねえな、と小さく呟いた。がハンジのお守りだけは死んでも御免だ、と心底そう思う。エルヴィンの過労溢れる顔を見ながらそう思っていればエルヴィンは思い出したかのように足を止め、視線を上げた。
「リヴァイ、最近のジゼルはどうな感じだ?変わりないか?」
こいつはいつの間に親馬鹿とやらになったのだろうか、とどうでもいい事を頭に浮かべながらリヴァイは宙を見上げた。三白眼には今ここにはいないジゼルが居るのだろう。
「変わりねえな、強いて言うなら愛想振り撒きながらそこらじゅうピョンピョン跳ねてやがる。」
「ははっ、想像がつく。」