so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「っ、いってーーーーーーーー!!!!」
食堂にハンジの叫び声が響きわたる。ジゼルはひっ、と短い悲鳴をあげてから耳を塞ぎ、リヴァイを覗き見る。リヴァイはといえばハンジを蹴るだけでは足りず目を開けたまま気絶したハンジの頭の上に靴裏をくい込ませる。
「え、リ、リヴァイ兵士長…?」
ハンジとリヴァイを交互に見たジゼルの瞳には困惑の色が色濃く乗せられていて。リヴァイはハンジの頭上でまたもや舌打ちを落とす。ハンジの人間観察とやらは悪趣味、否、下手をすれば犯罪に近い。そんなハンジの餌食になってしまった事が気に食わないリヴァイは鋭い三白眼を細めた。
「チッ、クソ野郎が…。」
「っ、ハンジさん!」
「おいガキ。喚くな、いつもの事だ。お前も慣れろ。」
「いつもの、事…。」
「ああ、そうだ。こいつはこんくらいで懲りたりはしねえ。」
そう言い捨てたリヴァイはボサボサの髪の上から足を退かしジゼルを見下ろす。いつものことだと言われてしまえばどうする事も出来ないジゼルはハンジに駆け寄りたい衝動をなんとか抑えた。リヴァイが鬼の形相でハンジを見下ろしていたからだ。胸元に手をやり取り敢えず深呼吸を、とジゼルは深く息を吸い込んだ。その時、リヴァイの視線が食堂の入り口へと流れるようにして向かう。
「こんな夜遅くに何しているんだ。3人とも…。」
驚いたように目を見開かせたエルヴィンはつい先程仕事が片付いたばかりで。彼もまたこれから夕飯をとろうと食堂に足を踏み入れていた。が、そこで目にしたのはあまりにも普段の食堂とはかけ離れている光景。オロオロとどうしたらいいのかと胸の前で手を組むジゼルに何故か気絶したまま倒れているハンジとハンジの頭上に足を置いているリヴァイ。まさに、絶句。
「仕事が片付いたのか、エルヴィン。なら丁度いい、このクソ眼鏡をどうにかしろ。」
「はあ、……またハンジが何かやらかしたのか。」
「馬鹿言え。また、じゃねえだろうが。今日、も、やらかしたの間違いだろ。」
「……はあ。リヴァイ、ジゼルが引いてる。ハンジには私から言っておくから、もう休め。ジゼルも疲れただろう?もう休みなさい。」
頭を抱えたエルヴィンの言葉にジゼルは遠慮気味に頷く。そしてチラリ、とリヴァイを見上げると偶然なのか必然なのか目が合ってしまいジゼルは慌てて頭を下げた。