so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
そう元気よく言ったジゼル。だがリヴァイはなんとなくだが確信していた。きっと彼女はこの仕事を容易く成し遂げるだろう、と。陽だまりのような優しさを持つジゼルになら、とリヴァイは滅多に人に任せることの無い愛馬の世話を任せたのだ。ジゼルが食堂から去ろうとぺこりと小さくお辞儀をしてから足を動かした、その時。
「ぶっ、ププッ……」
この静粛した食堂には似ても似つかないもの。笑いを堪えきれないといったその不快な笑い声にリヴァイは怪訝そうに顔を歪める。害虫が居たか、と声の主である本人が出てきたと思えばリヴァイは盛大に舌打ちを容赦なく落とした。
「やあ、ジゼル、リヴァイ!」
顔を真っ赤にさせ目に涙を浮かべたハンジの姿を見た途端リヴァイのこめかみには青筋が浮かぶ。
「ハンジさん!?」
ジゼルは驚く、否、怯えたようにしてハンジを見詰めた。穴が空いてもおかしくないほどにハンジを見詰めるジゼルにハンジははあ、と長い息を吐き出して深呼吸をする。リヴァイはといえば小麦のパンを原型が留めないくらいにまで握り潰していて。
「いやあ、リヴァイ、君にはがっかりした。とてもガッカリだ!」
「おい、クソ眼鏡。お前のその人間観察とやらの趣味の悪さは異常だな。反吐が出そうだ。」
「リヴァイがこの後ジゼルをお持ち帰りしないか心配だったんだよ!!!で、これからの展開は?決まっているのかい!?」
お持ち帰りされそうなジゼルを守る為、と胸を張っているのにも関わらず言っていることが矛盾だらけのハンジにジゼルは首を傾げ、その純粋な瞳をリヴァイに向けた。リヴァイはジゼルの金色に吸い込まれてしまわぬよう視線をわざと合わせずハンジを今にも切れてしまいそうな目付きで睨む。
「ガキは今から自室に戻る。俺はこれを食ったら寝るつもりだ。展開もクソもねえだろ。下らねえ事で喚くな、耳が痛い。」
「えーーーーーー。つまんない!!!リヴァイってそんなつまらない男だったの!?はあ、人類最強が聞いて呆れるよ。」
流石は人類の奇行種。リヴァイはとうとう我慢の限界が来たのか握り潰していたパンを皿に置くと興奮して騒ぎに騒いでいるハンジに近づく。ハンジはそれに気付かず、ジゼルに詰め寄り今からリヴァイの部屋に行かない?等と余計な事を吹き込んでいた。そんなハンジにリヴァイは容赦ない蹴りを食らわせた。