so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
月光が優しくジゼルとリヴァイを照らす。時が止まったように感じたリヴァイは自分を嘲笑い足を進めた。ジゼルもリヴァイの背中を追いかけるようにして足を動かす。食堂に向かうまでの間、二人の間に会話はなかったがどことなく穏やかな空気が流れていた。ジゼルはリヴァイが自分の作業に付き合ってくれたことに対し疑問を感じたがリヴァイの優しさなのだとリヴァイの背中を見詰め小さく笑った。この人は不器用だけどとてつもなく優しい人。そう思えばリヴァイは前触れなく振り返る。
「……リヴァイ兵士長?どうかしましたか?」
リヴァイはジゼルの隣に並び自分よりも遥かに低いジゼルを見下ろす。だがその眼差しはどこか穏やかで。ジゼルはリヴァイの目に釘付けになる。金縛りにあったようにしてリヴァイの双眸から目を離せないでいれば、ふとリヴァイの指がジゼルの髪を解く。
ジゼルは仕事中は髪を束ねていることが多い。今は下ろしているがその綺麗な髪はどう言う造りになっているのか束ねていたくせに全くと言っていいほど癖がついていなかった。煌びやかな金髪はまるで魔法のようだ、と柄にもなく思ったリヴァイはジゼルの髪に触れながら小さく口角を上げた。
「こっちのが俺好みだ。」
「……え?」
ジゼルはリヴァイのく口から解き放たれた言葉に目を丸くさせ歩めていた足を止める。まさかあのリヴァイから自分を褒める言葉が出てくるとは夢にも思わずさっきのは夢ではないのか、と頬を抓る。リヴァイは何も言わずキョトンとしているジゼルを呆れたように見下ろした後何事も無かったかのようにジゼルの金髪から手を離しジゼルとは裏腹に足を進めていく。
ジゼルは自分の髪に触れ、もう何度も触れたことのある柔らかい髪に顔を埋める。ああ、今が夜で心底良かったと思った。体の底から湧き出てくる熱がジゼルの顔に集中していき、まるで沸騰でもしてしまいそうなくらいに顔が急激に熱くなる。月明かりがそれを隠してくれていて。リヴァイの不意打ちは心臓に悪い、と心臓部分を掴めばまたもやリヴァイが振り返る。
「何立ち止まってる。さっさと歩け。」
「っ、は、はい…!」
リヴァイ兵士長のせいなのに、と口が裂けても言えないジゼルは頬を手で仰ぎながらリヴァイの元へと駆け寄った。
「まるで犬コロだな。」
ジゼルが小走りでこちらへ向かってくる姿を見て目を細めたリヴァイがそう言葉を紡ぐ。