so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
小さく微笑みながらも立体機動装置に向き合うジゼル。ジゼルの隣に置いてある磨かれた立体機動装置に目をやると目を小さく見開いたリヴァイ。あれは紛れもなく自分のもの、執務で空いた時間ができれば潔癖症なリヴァイは立体機動装置を磨く。自慢ではないが調査兵団中で一番立体機動装置を丁寧に扱っている自信がある。だからこそ自分の立体機動装置をジゼルが点検したのだろうと直ぐにわかったリヴァイは心が少しだけ暖かくなるのを感じた。
暫くして終わったのかハンジの立体機動装置を膝元に置きふう、と長い息を吐き出したジゼルに目をやり、壁時計を見上げればとっくに日は暮れていた。だが文句一つも言わずに満面の笑みでこちらを振り返るジゼルにリヴァイは静かに席を立つ。
「終わったのか。」
「はい!かなり酷使していた様ですが修理も含めて終わりました。やっぱりハンジ分隊長の立体機動装置はやり甲斐があります。」
ふふ、とまるで嬉しそうに笑うジゼルは腰をあげるとボサボサになった金髪を撫でる。高い位置で結ばれている金髪は指通りがいいのかジゼルの指に絡まることはない。ジゼルは手慣れた様にして髪の毛を解くとふわり、とリヴァイの視界を金髪が支配する。リヴァイはその圧倒的に美しい光景に息を飲む。腰下まで背中を伝って流れる金髪は月光に照らされて神秘的に輝いていた。
「さっさと食堂に行くぞ。お前の分もまだあるはずだ。給務のババアが片付け出来ねえと喚いてるかもしれねえな。」
「あ、それは申し訳ない事をしてしまいました。えと、リヴァイ兵士長も夕食はまだなんですか?」
「半分だけ食べたが、後は食堂に置いてきたままだ。どっかの誰かが変わった事に仕事好きでな。気づいたらこんな時間だ。」
食べ損なった、と言うリヴァイにジゼルはすみません、と頭を下げた。リヴァイは好きでジゼルとの時間を共有したのだ。ジゼルの申し訳なさそうな表情にこんな事を言いたかった訳では無い、と内心思うがそれを口に出せないのが事実で。
「冗談だ。気にするな。」
「ですが、」
「帰りたければ勝手に帰ってる。俺はそういう性格だ。」
素っ気なくそういいジゼルの絹糸の様な金髪に指を絡める。彼女の柔らかい髪質に目を細めたリヴァイ。ああ、なんて贅沢な時間なんだろうか、とジゼルの金髪に指を通しながらふと思った。