so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
「……アシュリー博士の地下室、か。実に興味深いね。よし、私とエレン、ミカサ、アルミンでエルヴィンの説得に行こう!うん、いい名案だ!」
「……でも、エルヴィン団長は多分エレンの硬質化実験に時間を費やす、かと。それにシガンシナ区に行くにはウォール・マリアの壁を塞がない限り状況は厳しいかと。何より、調査兵団は年中人手不足です。次の壁外調査の日程はまだ決まってはいませんがウォール・マリアの壁を塞ぐには余りにも犠牲が、」
「ちょーっと待った!アルミン!違うよ、ウォール・マリアの壁を塞ぐにはかなりの兵士の命が必要になる。それは重々承知している。だから、少人数でシガンシナに行くんだ。調査兵団組織の精鋭班、でね。それなら、リスクも最小限に抑えられるだろう?」
そう言ったハンジは得意気に、そして興奮気味に席を立ったまま肩をグリン、と回す。
「それならあの堅物エルヴィンも納得してくれると思う、そうと決まったら早速団長室に行くよ!エレン、ミカサ、アルミン着いてきてー!!」
やっほー!!と来た時同様に猛スピードで食堂を去ったハンジにほかの兵士たちは目を丸くさせる。そして心の中で呟いた。
流石は人類の奇行種だ、と。
食堂に取り残されたエレンとミカサ、アルミンはそれぞれがそれぞれの思いを自分自身に問いかけていた。
「ジゼルって女の子はアシュリー博士の子供なのかも分からない。本当に言ってよかったのか?」
「……髪色と同様、瞳も金色、そもそもな特徴が珍しい。確信はないけど自信はある。ジゼルは多分、アシュリー博士の子供で間違いないと思う」
「ならどうしてジゼルはあんな悲しい顔、してたんだろうか」
エレン、ミカサ、アルミンは次々に口ずさむ。幼い記憶の中にいるのは幼くして生きる事を諦めてしまったような冷めた瞳と、いつ涙が出てくるのかわからないほど果てしない悲しみを帯びた金色の瞳を思い出していた。
質素な食事を終えた三人は団長室に向かうべく、その足を動かした。そのあいだ、誰一人として口を開ける事はなかった。