so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
「許可できない」
「っ、なんでだよ!!」
その口調は少しとげがあった。壁にひびでも入るんじゃないだろうかと思うほどの冷静な声を呆気なく落としたエルヴィンにハンジは机を大きく叩く。はあ、またか、とリヴァイはチッ、と鬱陶しげに舌打ちを零した。
「しつこい奴だな、クソ眼鏡。調査兵団組織の精鋭班を使ってまでジジイんとこのクソガキに会いにいく価値はねえだろ。俺の部下を犬死させる気か?」
トドメを刺すようにしてリヴァイが腕を組みながらそう言うとハンジはふふふふふふふ、とまたもや不気味な笑いを零した。リヴァイの獲物を前にしたような猛獣みたいに鋭く尖った目付きには目もくれないハンジにひとつ蹴りでも入れてやろうかと立ち上がったリヴァイの耳に届いたのは、コンコンというノック音。
「エルヴィン団長、エレンとミカサとアルミンです」
「入れ」
エルヴィンは一瞬予想外のメンバーに目を見開くがそれはほんの一瞬で、いつもの様に冷静、かつ、冷酷な眼差しを104期の中でも特に目立っている三人に向けた。
「要件は?」
「ジゼルの事で…、」
「……クソ眼鏡の馬鹿が伝染ったか」
アルミンがそう口を紡いだと同時にリヴァイがソファーに深く身を預ける。敬礼をしたままの三人をエルヴィンは手で制し敬礼を解くように命じた。が、リヴァイの言葉が気に食わなかったのかミカサは目を鋭くさせ、リヴァイを思いっきり睨んでいた。
調査兵団の中でも兵士長という立場で粗暴、そして口が悪く愛想のないリヴァイに近づく兵士も喋りかける兵士も少ない。調査兵団組織の中で最も恐れられているリヴァイを遠慮なく睨むところは流石はミカサ、と言ったところか。
人類最強の兵士を睨むミカサにエルヴィンは少しだけ頬を緩ませた、が。
「アシュリー博士の地下室の事も聞いた。君達はまだジゼルという女の子が生きていると思うか?」
椅子に深く腰かけたエルヴィンは青い目でエレン、ミカサ、アルミンを順番に見ていく。まるで一人一人の心情を読み取るかのように。
「それは、」
とアルミンが口篭る。
「俺は明日からも通常に硬質化実験に取り組みます!だから、ミカサとアルミンを連れてシガンシナのアシュリー博士が持つ地下室に行ってみてください!もし、もしジゼルが生きていたなら、彼女は俺達……、否、調査兵団組織にとって大きな希望になり得ます!」