so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
もうすっかり日が暮れていて。窓をチラリ、と見たジゼルはハンジの立体機動装置を受け取りながら答えた。さっきから所々で腹の音を聞いていたジゼルはすぐさまそう言うが兵士はばつの悪そうな顔をした。
「任せておいてなんだが、お前一人に作業をさせる訳には、」
「あたしなら大丈夫です!リヴァイ兵士長の立体機動装置はもう点検し終えましたのでハンジ分隊長の立体機動装置を直してから食堂に向かいますから。」
「いや、だがな……、」
「気にしないでください。直ぐに終わりますから。」
そう言えば兵士は悪そうに、だがジゼルに感謝の言葉を述べてから次々と倉庫を後にする。一瞬で倉庫の中に一人残されたジゼルは静粛に包まれた倉庫を見渡したあとその場に座り込み、ハンジの立体機動装置を慣れた手つきで分解していった。がちゃがちゃ、と響く金属音がジゼルのやる気を手伝う。ジゼルは細かな部品を取り除き新しい部品を素早く付けていき、段々と本来の姿に形を変えていく立体機動装置にふふ、と笑みを漏らしたのだった。
「ねー。リヴァイ。」
兵士達が賑わう食堂にて、トレイを運び席に座っていたリヴァイにハンジが声を掛ける。この兵舎の中でリヴァイに話しかけるのはハンジとエルヴィンの二人だけだろう。だが珍しくもないハンジとリヴァイの光景に他の兵士達は敬礼を解き食事を口に運ぶ。仕事を終えた兵士達は今日の出来事を楽しそうに話しながら少し硬めの小麦のパンを齧っていた。
そんな中、慌しい人物が一人。
「お前か、奇行種。」
ゴーグルの奥に潜む目がキョロキョロと辺りを見渡していた。リヴァイはハンジに目を向けるとゲンナリとした表情を隠さずにハンジを見る。そんな視線ですらも気にしないハンジはリヴァイと目を合わせ首を傾げた。
「おっかしいな〜。ジゼルがまだ居ないんだよ。もうこんな時間だし食堂に来てると思ったんだけど。」
「……大方、クソでも長引いてんじゃねえのか。」
「快便でしょ。っていうかほんとにジゼルどこいったんだろー。一緒に夕食食べたかったなあ。」
脱力したようにテーブルに上半身を預けたハンジにリヴァイは三白眼で食堂を見渡す。どうやらハンジの言った通りジゼルはまだ食堂には来ていないらしい。そんな中、ふとリヴァイの脳裏に掠った光景が蘇りリヴァイは小さく息を吐くと席を立つ。まだ食事が半分以上も残っている。