so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「はい。もうほぼほぼ完成に近いです!後もう少しで出来ますので出来ましたら新型立体機動装置についての報告書を作成する予定です!」
「そうか、それは凄いな。無事に1台が完成すれば我々も手伝えるはずだ。ここにいる皆で兵士130人分の新型立体機動装置を完成させような!」
「はい!」
「だけど130人分か…。長い道のりになりそうだな。」
と苦笑いを零した兵士にジゼルも苦笑いを零す、がそれは一瞬のことだった。新型立体機動装置を完成させれば今よりも遥かに巨人に立ち向かう幅が広くなる、そして死亡率が格段と下がる。旧型よりも新型の方が性能がいいのは確実なので作るのに時間はかかるがそれを完成させてしまえば調査兵団はまた一歩、人類に近づく。
それを知っているからこそジゼルはこの仕事を苦痛だと感じないのだ。それは他の兵士たちだって同じ事で。同じ事を考えているからこそ新型立体機動装置を早くに完成させたいのだ。そんな希望を作り出すジゼルに皆が皆、尊敬の眼差しをジゼルに向けていた。ジゼルはそんなプレッシャーにおしつぶされる事無く笑顔でリヴァイの立体機動装置を点検していったのだった。
「ジゼルー!居るかー?!助けてくれー!!」
「っと、ジゼル、お前を呼んでいるな。おいそこの兵士!ジゼルなら此処に居るぞー!!」
隣で話していた兵士が手を挙げて大声を上げながらそうこの中を走り回っている兵士に叫ぶ。叫んでいた兵士は額に大量の汗をかき、その表情には疲労の色が色濃く見えた、がジゼルの金色の髪を目にした途端、はあ、と大袈裟な程に息を吐く。
「?……どうしましたか?」
「ハンジ分隊長の立体機動装置が全く直らないんだ!助けてくれ、ジゼル!あの人、いつから点検していないのかは分からないがあちこち錆びてるし部品も所々外れてるし、とてもじゃないが俺には無理だ。ジゼル、お前がしてくれ。頼む。」
ジゼルが目を丸くし兵士が持っているハンジの立体機動装置を間近で見る。
「これは……、酷いです。」
「だろ!?こんなのよく使っていられるよあの人…。」
ハンジの立体機動装置はとてつもなく汚れていて、こんなので壁外調査に出ていたのかと思うと顔が真っ青になったジゼルに兵士は頭を抱えながら大きく溜息を吐いた。
「あたしがやっておきますので、皆さんもう夕食に向かってください。」