so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
さらっ、とそんなことを言いのけてしまうエルヴィンにリヴァイは不愉快だと言うかのごとく苛立ちをそのまま吐き出すかのようにして息を吐いて目を伏せる。他の兵士達と同じように接しろと言っているわけでもジゼルだけを贔屓しろ、と言っている訳でもないエルヴィンのその言葉は理解していた。
理解していたが、認めてしまうのが嫌だった。
たまに恐怖の色を宿しながらリヴァイをその金色に映すジゼル。リヴァイの機嫌がいい時は一緒になって楽しそうに話しているジゼルを見掛けるがリヴァイが不機嫌になった途端怯えたようにしてリヴァイから、一歩距離を置くジゼルにエルヴィンもリヴァイも気づいていた。
だからこそのエルヴィンの助言だと言うようなその言葉に舌打ちを零す。そしてソファーから身を起こして立ち上がる。リヴァイの黒髪が風に靡く。小柄な男なのにそれを感じさせない三白眼と圧倒的な威圧感にエルヴィンは目を細めた。
「根本的に俺とお前は違う。お前の価値観とやらを俺に押し付けてくれるな。俺は俺のやり方であいつと接してる。ただそれだけだ。」
「……そうか。ならもう、何も言わん。」
「ああ。そうしてくれ。」
そして背中を向けたリヴァイにエルヴィンは何も言うことは無かった。これはリヴァイ本人が自分で認め、初めて行動に移さないと意味が無い、と比較的早い判断力でそう判断したエルヴィンはテーブルの上に並べてある何枚もの書類と向き合ったのだった。
リヴァイはといえば執務室へと足を運ばせていた。エルヴィンの言われたことが頭から離れず鬱陶しげに眉根に皺を深く刻んでいるリヴァイを見て兵士達はリヴァイを避けながらも敬礼をしていく。団長室から出てきたところを見るとエルヴィンと揉めたのだろうか、とありもしないことを思い浮かべながら兵士達は訓練の森へと足を走らせていたのだった。
がちゃり、と見慣れた執務室に入ればテーブルの上にはまとめあげられた書類達が置いてあって。はあ、と息を吐いたリヴァイは上着をハンガーにかけて執務に取り掛かる準備を始めた。紅茶を淹れていればふと頭に過ぎる、この前の出来事。
アールグレイという茶葉をジゼルに買ったのを思い出したリヴァイは少し考える素振りを見せてからお湯を沸かすのをやめ、脱いだばかりの上着を手に取り手慣れた手つきで羽織った。そしてさっき入ったばかりの執務室を後にし、足を進めた場所は。