so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
にっこりと不安を取り消したジゼルの笑顔が日光に輝く。口角を上げ色白の頬には小さなエクボが顔を出した。それが彼女を余計に愛らしく感じさせる。自分の愛馬は壁外調査では絶対不可欠。愛馬が兵士の命を繋ぐと言っても過言ではない。馬の体調管理などを徹底的に行い信頼関係を築き上げることで巨人から遠のく足となってくれる。
そんな大事なエルヴィン、リヴァイ、ハンジの馬を任せられたことに喜びを感じたジゼルは喜びや嬉しさを隠そうとはせずエルヴィンに貰ったバームクーヘンを頬張りながらにっこりと笑う。全身で喜びを感じる彼女にリヴァイは片眉を釣り上げて息を吐く。馬の世話を任されたくらいでこんなに喜ぶ奴は初めて見たと言わんばかりのその表情にエルヴィンは苦笑いを零すもジゼルのこの反応からするにこの仕事を快く引き受けてくれた様だと解釈した。
「では、ジゼル。君に私達の馬を任せるとしよう。よろしく頼んだよ。」
「はい!エルヴィン団長、任せてください!精一杯頑張ります!」
「言っておくが俺の馬は神経質な奴だ。精々蹴られねえよう気を付けるんだな。」
「……ったく、リヴァイ。どうしてそんなに嫌味ったらしく言うんだ。素直にありがとう、と言えばいいことだろう?」
そう言って頭を振り溜息を吐いたエルヴィンの瞳がいつまでそんな事をしている、と訴えていた。リヴァイは腕を組み眉根を寄せ足元を睨む。どうやらこの男の不器用さは限度を超えているな、と目を伏せたエルヴィン。リヴァイが気の毒に思えて仕方の無いエルヴィンは少し焦れったさを感じつつも目の前のジゼルに小さく笑った。
「明日は夕方頃、帰宅する予定だ。馬の世話が終わり次第ジゼルは好きな時間を過ごしなさい。いいね?」
その有無を言わせない言葉に小さく頷いたジゼルは失礼します、と頭を小さく下げて団長室の扉を控えめに閉めた。ジゼルのいなくなった部屋にはまたもや静粛が訪れる。
「はあ、…してリヴァイ、お前がいつまでもそのような態度をとっているのならジゼルが怖がってしまうだろう。やっと此処にも慣れ始めてきたというのにお前が怖がらせてしまったら意味がない。」
「……じゃあ、何か。俺はジゼルだけを贔屓しろと?」
「そう言っている訳では無い。お前だってわかっているはずだ。自分のその態度は良くないということに気付いているのなら何故それを行動に移せないんだ。」