so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
全くと言っていいほど口の悪さを改めようとはしないリヴァイにエルヴィンは少し考え込む仕草をする。王政の豚共というリヴァイの言葉はあながち間違ってはいない、頭が悪いに関しては特に同意する。そして王政とリヴァイの仲は好ましいものではない。
「……そうだな。私としてはお前も同行してほしいんだが。」
「何故だ。それにあのガキを此処に置いておくのか?」
「お前の言いたい事はわかる。だがエレン達が居るだろう?」
「俺が出向く意味がわからねえ、どうせあのクソ眼鏡の熱弁会になるだけだ。」
「まあ、そう言わずに同行してくれ。お前が一番近くでエレンの硬質化実験をその目で見ている。より具体的に実験について意見を述べれるのはお前しかいない。お前が適役なんだ、リヴァイ。」
「……了解だ、エルヴィン。」
どうしようもなくくだらない臨時会議に顔を顰めたリヴァイは渋々とエルヴィンの言葉に首を縦におる。どうも、乗り気じゃない。あの王政の豚共と言い合いになるのは目に見えている、と息を吐いたリヴァイは頭の隅でふと思う。ジゼルはリヴァイ達がいないあいだどうするのだろうか、と自分らしくもなく他の人間の事を気にかけ始めるリヴァイは視線を上げた。
エルヴィンはそんなリヴァイの相変わらず鋭い視線を受けながら彼もふとある提案が頭を掠める。
「そうだ、ジゼルには私達の愛馬の世話を任せよう。」
「馬の世話を頼まれて喜ぶ人間なんざ居ねえと思うが。」
「まあ、そう言うなリヴァイ。ジゼルの事だ。きっと快く引き受けてくれるだろう。」
そう頬を緩ませたエルヴィンはジゼルを呼んできてくれ、と団長室を訪れた若い兵士に言った。少し肌寒い風がエルヴィンとリヴァイの間を透き通る。2人の髪が僅かに揺れ、静粛が包んでいたこの部屋に響いたのは控えめなノック音。
「エルヴィン団長、ジゼルです。」
「うむ、入ってくれ。」
がちゃ、と小さめに音を出しながら扉を開けたジゼルは自分を迎えたエルヴィンと、あともう1人予想外だったリヴァイが居ることに目を見開いてぺこりと小さく頭を下げる。ジゼルの金髪がさわり、と風に揺れて日光に照らされた金髪は艶々と輝いていた。