so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
リヴァイはバツの悪そうにハンジから視線を逸らす。ジゼルは残りのパンを口の中へと放り込み席を立つ。仕事が終わったあとにエルヴィンのところへと行こうと心の中で予定を立てたジゼルはリヴァイとハンジに小さく頭を下げてトレイを返却し食堂を後にした。
「ジゼルってばほんとーに可愛いね。それに前向き、リヴァイの嫌味もしっかりと聞き入れちゃって。」
「馬鹿言え。俺は俺の思った事を言ったまでだ。」
そう言い終えたリヴァイも返却口へと向かいトレイを返す。分厚めのベーコンに体が喜んでいた、今日はしっかりと仕事をこなせそうだとここに居ない彼女を思い浮かべながら執務室へと足を運ばせる、と。
「あ、リヴァイ。急だけど明日は臨時会議なんだって。王政がエレンの硬質化について気になる事があるらしーよ。」
「……王政の豚共か。あいつらが知ったところで何になる。」
「さあ。それはみんな思ってるよ。だけど王政がそう言うなら従わないといけない。じゃないと面倒臭い事になるのは目に見えてる。リヴァイ、エルヴィンから言われてたんだけどくれぐれも失礼のないようにね。」
「……お前にだけは言われたくねえな。」
「まあ、そう言わずにさ!」
ハンジに肩を叩かれたリヴァイは眉根に皺を寄せた。ち、と小さくしたうちを零す。まだ執務が山のように残っているというのにその時間を王政に奪われてしまうのが気に食わないらしいリヴァイにハンジはまあ気持ちもわかる、と小さく苦笑いをする。
単純に、尚且つ最善に事を収めたいが世界はどうもそれを許してはくれずこの世界は無駄に、複雑に入り込んでいる。
リヴァイの遠くなっていく不機嫌な背中を見送ったハンジは大きく伸びをして巨人捕獲作戦についての提案書でも書こう、と大きく意気込むがそんな事彼女の副官であるモブリットが許してくれるわけもなく。ズルズルと引き摺られたハンジの叫び声を後ろ手に聞いたリヴァイは足早に執務室、ではなく団長室へと足を運んだ。
「おい、エルヴィン。居るんだろ、邪魔するぞ。」
返事がないが遠慮なく入っていくリヴァイにエルヴィンは小さく溜息を吐いた。
「……少しは遠慮という言葉を覚えてくれ、リヴァイ。」
「今更だ。」
「何か用か?」
「明日は王政の豚共にエレンの近況を報告しにいくんだろ。その無駄に頭の悪い豚共を相手する会議とやらに俺は行く必要があるのか?」