so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
ミカサの敵意溢れる鋭い視線をエレンが尽かさず隠そうとしたが時すでに遅し。リヴァイはそんな視線を容赦なく睨み返す、がそこに居るのはミカサを隠しているエレンで。エレンはひっ、と短い悲鳴を上げた。エレンの硬質化実験もリヴァイが立ち入っている。もしエレンが暴走してしまった時止める人間がいないからだ。だがそのリヴァイも最近予定が詰め込んでいる。
そのせいでまともに硬質化実験が出来なくてハンジからのブーイングを受けている最中だった。そしてエレンの肩越しから此方を睨むミカサを一瞥した。この根暗野郎、処分も検討しておくかと再度思うリヴァイだったが目の前でちょこんと立っているジゼルに視線を移す。
「ハンジさんなら晩餐会についてエルヴィン団長の元へと走っていきました、けど……。」
と食堂の入り口を見詰めたジゼルにリヴァイは気づかれぬよう息を吐いた。
「大方、お前の護衛をしたいと申し出たんだろうな。あのクソ眼鏡が考えそうな事だ。」
というリヴァイの予想は大いに当たっていた。ハンジはエルヴィンの元へと走り団長室をノックもせず入るとジゼルの護衛役を私もやりたい!!と鼻息荒く意気込んでいた。大人数での護衛役は不必要だ、と言ったエルヴィンに対しハンジは団長室の床に寝転び子供のように駄々をこねる、そんなハンジにエルヴィンが折れた、とは言うまでもなかった。
「ガキ共、話は終いだ。さっさと散れ。それと、お前は飯をもってこい。俺の分とお前の分だ。」
「……っ、はい!」
リヴァイが顎でエレン達を追いやりジゼルは食事を取りに行くべく小走りで走る。
「あのチビ、やっぱり許せない。ジゼルを都合のいいように使って。」
「……ミカサ、落ち着けよ。ジゼルは気にしていないぞ。」
「そうだよミカサ。エレンの言う通りだよ。ジゼルは優しい子だし兵長だってそんなに酷いことはしないよ。きっと。」
「あのチビは調子に乗りすぎてる。いつか然るべき報いを。」
「……あのなあ。」
席に座ったリヴァイを容赦なく睨むミカサにエレンとアルミンが頭を抱えて大袈裟なくらいに溜息を吐いた。ジゼルはといえばリヴァイの分と自分の分のトライを両手に持ちフラフラ、とリヴァイの待つ席へと向かう。リヴァイは宙を眺めていて、その三白眼がジゼルを捉え僅かに細められる。
なんだか嬉しそうに小走りで走ってくるジゼルに視線が向けられる。