so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
何故、グリシャがその女の子を連れてきたのかは分からないが顔の広いグリシャの事だ。きっと何か頼まれたのだろう、と解釈したハンジはアルミンの1文字1文字を落とさずに真剣に聞いていた。
「確かにその女の子を連れて帰ったのはその女の子の両親ではなかったのです」
「両親ではないとどうしてわかった?」
「……これは僕の推測にしか過ぎませんが、全くと言っていいほど面影がなかった、と言えばいいでしょうか。それにそのジゼルという女の子もその人が迎えに来てもあまり嬉しそうではなかったような気がします。何より、幼いながらにしてその女の子の瞳は生きる事を諦めてしまったような、そんな、瞳でした」
「……」
「その子がアシュリー博士の子供なのかはわかりません。だけどアシュリー博士にはある特徴があります。僕も絵だけしかみたことがないので分かりかねますが……。金髪の髪で金色の瞳、ならジゼルという女の子もアシュリー博士同様、金髪に金色の瞳だった、かと」
「ああ。確かにそうだったな。容姿が印象的だったからそこだけははっきりと俺も覚えてる」
そう言ったアルミンとエレンにハンジは収まりつつあった鼻息を荒くさせ、席を立った。その頬は真っ赤に染まっていた。
「そのジゼルって子、興味ある!実に興味深い!!で今その子は何処にいる?」
「……分かりません。もしあの時避難していれば俺達も見かけるとは思います。目立つ容姿なので。でも見かけなかったということは…、」
とエレンが目を伏せた。彼は純粋そのものだ。感情を真っ直ぐに向け、巨人に対する憎しみはここにいる兵士より一層、強い。純粋なその瞳は巨人を見ると同時に憎悪に染まる。