so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
「そのまさかなんだよ!!モブリットが王都から持ち帰った本を読むにつれてアシュリー博士は自分の子供に新型立体機動装置のの設計図を託したと書いてあったんだ!もしそれが本当なら試してみる価値はあると思わないかい?」
「……ですがもし子供がいたとしても今もその設計図を持っているのかどうか、それにシガンシナ区出身ならウォール・マリアが突破された時に巨人に、」
「まーーった!!エルヴィンと同じこと言わないでくれ、アルミン。生きているのか死んでいるのかすらわからない。死んでいる確率の方が格段に高い、がそれでもあたし達はそれに賭けてみる価値はあると思うんだ」
「……アシュリー博士、の子供」
そう呟いたミカサの声をハンジがつかさず拾う。
「……っ!ミカサは知ってるのか?!アシュリー博士の子供!なんでもいい、知っていたら教えてくれ!!」
エレン、ミカサ、アルミンはアシュリー博士の子供だと確信はないがたしかに1人思い当たる人物がいた。それは遠い、遠い記憶の中の片隅にいる人物。まだまだ幼い女の子の姿を思い出していた。
「ハンジ分隊長、取り敢えず座ってください。アシュリー博士の子供かどうかの確信はないですが、多分、俺達は今同じ人物を思い出しているはずです」
そういったエレンが後ろで考え込むミカサとアルミンを見詰めた。興奮するハンジを宥めながら席に座らせてハンジに水の入ったコップを差し出すとハンジはそれを勢いよく飲み干す。
「滾るっ…!滾るよおっ!!」
と机を叩くハンジに苦笑いを零しつつ頭の整理が尚且つ速いアルミンがエルヴィンと同じ色の瞳でハンジをまっすぐみつめた。
「僕達の幼少期時代に1人だけ親がいない子供がいました。グリシャ先生……、エレンのお父さんがその女の子を連れてきた事があるんです。グリシャ先生は確か、こう言ってました」
「この子の運命は過酷だ、と」
アルミンの言葉を塞いだエレンは視線を足元に落としながらそう言った。
「……過酷?何故?」
「それは僕達にも分かりません、何より幼かったのもあってあんまり覚えてはいないのですが悲しそうにその女の子の頭を撫でて、ジゼル、と呼んでいたのは分かります。昔見たアシュリー博士の特徴からするにジゼルという女の子とアシュリー博士は少し、少しだけ似ているような……」