so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
ジゼルは三白眼でこちらを見るリヴァイを見詰め返し小さく微笑んだ。そしてあの時の約束を脳内に思い浮かべていた。早く、早く見たかったのだ。新型立体機動装置を完成させ新型立体機動装置を身につけ軽やかに華麗に飛ぶ、彼を。
「リヴァイ兵士長とあの約束をしてもう少しで2週間が経ちます。」
「……」
ああ。そうだった。確かそんな約束をした気もする。とリヴァイはジゼルから視線を外し宙を見詰めた。新型立体機動装置を完成させるまでに2週間がかかると言っていたジゼルの言葉に小さく頷いたリヴァイをみてジゼルはくすり、と微笑んだあと小さな部品を取り作業を開始していく。
「あんな口約束、本気にするな。」
「でもあたしは早くみたいんです。リヴァイ兵士長がこれを身につけて飛んでいる姿を。想像したらもう手が止められなくて。」
と苦笑いで零す彼女に誰が叱れるだろうか。そんな純粋な気持ちを持ちながら作業を進めていくジゼルをリヴァイは遠く眺める。口約束とは、言葉通りただの口約束、口だけで交わす根拠も何も無い約束だと思っていたリヴァイは目を細めた。
真剣に新型立体機動装置と向き合う彼女の小さな背中を見詰めたあと目を閉じたリヴァイは暫くしてから目を開け近くにあった椅子に腰かける。そして背中を預けガチャガチャという金属音を聞きながら目を閉じた。
「リヴァイ兵士長?」
「キリのいいところで終わらせろ。部屋まで送っていく。」
「?はい。あと1時間ほどで終わるはずです。」
「そうか。なら、いい。」
そう言い残し、リヴァイはすぐさま夢の世界へと旅立つ。先程まで冴えていた脳味噌は彼女を目にし安らぎの地へと誘うかの如く安易にリヴァイを眠りの世界へと誘っていった。耳に残る金属音が心地よく感じ、彼女の甘い香りはどうしてかリヴァイを落ち着かせるに充分だった。
「……う。リヴァイ……兵士長。」
控えめに肩を揺らされる感覚に瞼を持ち上げる。どうやら知らぬ間に眠っていたらしいリヴァイはそんな自分に内心驚きつつも目の前でスッキリしたように微笑むジゼルをみて肩の力を抜いた。
「終わったのか。」
「はい。後少しで、完成します。」
「そうか。……戻るぞ。」
「はい!」
こくりと頷いて見せたジゼルは満足そうに新型立体機動装置を丁寧に箱に戻すと鍵を掛けた。