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so ist es immer【Levi dream】

第2章 girl of hope for mankind


まだ太陽が昇る前、リヴァイは鳥肌が立ってしまうような冷たい風に起こされた。重たい瞼を開けると少しだけ開いた窓から侵入してくる冷たい風に眉根を顰めまだ覚醒していない脳味噌を働かせながらも比較的眠りの浅いその体質は二度寝は許さないとばかりにリヴァイの目をクリアにさせていく。

時間を見れば丁度五時を指していて。随分な早起きだとはあ、と小さく息を吐き出せばそれは白く濁って吐き出される。ベッドから起き上がると兵服に身を包みこんでいくリヴァイは真っ暗な部屋の中を見渡した後シーツを整えた。

窓を閉めるべく窓際に移動すれば向かい側の兵舎の窓にはオレンジ色の灯りがゆらゆらと揺らめいていて。まだ起きてる奴がいるのか、と眉根に皺を寄せた。

面倒臭いと思いつつもその足は自然に向かい側の兵舎へと向かっていた。しん、と静まり返った兵舎がやけに落ち着く。なんの物音もしないその空間に目を伏せた。聞こえるのはリヴァイの足音、そして息遣いだけだ。そしてゆらゆらと灯りが照らされていたひとつの部屋。確か、彼処は。

「……」

矢張り。
そこにはリヴァイが予想していた通りの光景が待っていた。金色の絹糸のような滑らかな髪は腰下まであるため床に座っている彼女の背中を流れ髪の毛先が床についていた。そんな光景を見ながら目を一旦閉じたリヴァイは頭を巡らせた。彼女が何故こんな夜明けまで作業をしているのかわからないがこんな夜明けまでエルヴィンが仕事を許可するわけがない。という事は、彼女の独断だろう。

「おい。」

「……っ、!?」

リヴァイの低い声に肩がぴくりと上がる。リヴァイから背中を向けていた金色の瞳がそろり、とゆっくりリヴァイを捉える。扉に背中を預けるようにして立っていたリヴァイに彼女、ジゼルは安堵の息を吐き胸を撫で下ろした。

「とことん働くのが好きな奴だな、てめえは。」

「もう、後少しで完成するんです。早くに完成させたくて。」

目を伏せて新型立体機動装置を撫でるジゼルに柄にもなく胸が高鳴るリヴァイ。なんだこれは、と形のない感情に足元を睨む。

「そいつが完成する以前にお前が倒れたら元も子もないだろうが。設計図が完成したんなら後は開発部と技術部に任せたらいいだろ。」

「……でも、約束、したから。」

「あ?」

ジゼルは何としてでも完成させたかった。
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