so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
一方、その頃。
「あ、いた!エレンー!!」
「あ、ハンジ分隊長!?」
兵舎に設置されてある食堂に行くと何やらご機嫌なハンジがエレンに向かって突進してくる。エレンは藍色の大きな瞳を見開かせ飛びっきりの笑顔でこちらに向かってくるハンジを見詰めた。隣にいるミカサとアルミンが苦笑いしながらもまた実験の話か、とハンジを見る。
ミカサはエレンが心配で堪らないのかハンジからエレンを守る様にしてエレンの目の前に立って身構える、がアルミンがそれを阻止した。
「なんで止めるの、アルミン」
「だって、見て。ハンジ分隊長の様子なんだかいつもと違うよ」
「また実験の話。エレンが全然休めない、可哀想」
「そうだけど…でも、なんかハンジ分隊長、いつもと違い様な…」
頭脳明晰なアルミンが目を細めながら敵意剥き出しのミカサにそう言うと目の前に到着したハンジが目をキラッキラに輝かせてエレン、ミカサ、アルミンを見る。104期兵士の中でも特別目立っているこの3人だったがハンジが食卓に加わった事により兵士達の注目の的となった。
「ふふふふふ、やあ。そう言えばエレンとミカサとアルミンはシガンシナ区出身だったよね?」
不気味に笑いながらそう告げるハンジにエレンが大きな声で「はい!」と敬礼しながら返事をする。続いて呆気に取られていたミカサとアルミンも敬礼するがハンジはそれを手で制した。
「そんな堅苦しいのいいんだよー、それよりシガンシナ区の出身ならアシュリー博士の事は勿論!知ってるよね?」
勿論、を強く言ったハンジにエレンもミカサも首を傾げて怪訝そうにハンジを見るがアルミンはその人物を知っているらしく、
「アシュリー博士の事なら、シガンシナ区でとても有名だったので存じ上げてはいますが…、確かもう亡くなっていると」
「そうなんだよ!でもね、そのアシュリー博士に子供がいたんだよ!コレがどう意味するかわかるかい?」
「……アシュリー博士は立体機動装置の発明者。アシュリー博士の子供がいたなら…、はっ、それはもしかして今調査兵団にある立体機動装置よりも遥かに優れた新型立体機動装置の設計図を持っている、とか…ですか?」
アルミンがはっ、と顔を上げてハンジを見上げた。ハンジはうんうん、と大きく頷きながら鼻の穴を広げて頬を紅潮させる。