so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
「お前にしては随分と勝手だな。あのガキを守って俺になんの得がある。」
「はあ。リヴァイ、それはお前が見出すことであって私が言うことではない。本当は気づいているんだろう?」
「……なんの事だ。」
「素直になれ、と言っている。いつまでジゼルをガキと呼ぶんだ。」
「……ちっ。俺があいつをどう呼ぼうが俺の勝手だ。お前の尺で俺を測ってくれるな。」
三白眼が細められる。エルヴィンはいい加減呆れていた。ジゼルと過ごしてもう随分日にちが経つがリヴァイのジゼルに対する態度は日に日にに険しくなっている。中々素直になろうとしないリヴァイに焦れったさを感じていたのはエルヴィンだけではなくハンジもであって。
今この場にハンジは居ないが、ハンジが今居たなら焦れったいあまりに発狂していただろうとエルヴィンは想像した。
「エルヴィン団長、リヴァイ兵士長。少し、少しだけ此処で待っていてくれませんか?」
その時。ジゼルが前触れなく振り返る。急に振り返った為険しい顔つきをしていたエルヴィンとリヴァイを真正面から見るが当の本人は気づかずにこりと微笑んでそう言葉を紡いだ。
「単独行動は許さねえ、何処へ行くつもりだ。」
ジゼルはどうしても行きたいところがあった。1人での外出は許されていないため、今此処に居る時しか機会がないのだ。いつも、羨ましく見ていた。いつも、欲しいと思っていた。ジゼルがこの歳になって欲しいと前々から思っていたもの。それが揃っている店が今目の前に佇んでいるのだ。
ジゼルはリヴァイの鋭い視線からそらすようにして顔を俯ける。ごにょごにょと手と手を擦り合わせて唇を尖らせたジゼルはどうやら拗ねているようだ。リヴァイはそんなジゼルをみて両手をポケットに突っ込んだまま、片眉を上げた。
「勝手な行動はとるな。迷惑だろ。」
「…………」
「何か言ったらどうだ。お前についてる口はただの飾りか?」
「リヴァイ、そんな言い方はないだろう……!」
無言を貫き通すジゼルにリヴァイは舌打ちを落とした。ジゼルに無視されているのが気に食わないらしい。容赦なくジゼルを射抜くリヴァイにエルヴィンが尽かさずリヴァイを制する。
「…………すみま、せん。」
「謝るな、てめえの謝罪なんざ聞いてねえ。何処に行くのかと聞いている。さっきも言ったが土地感覚もないに等しいてめえの単独行動は迷惑だ。」