so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
トロスト区。家々がくすんだ色でごちゃごちゃと建つ。賑わっているその町並みを珍しそうにきょろきょろと見渡すジゼル。比較的珍しい容姿をもつジゼルを通りすがる人々が追う。そんな視線に隣にいるリヴァイは眉根を深く刻む。
兵服を着ていれば目立つと踏んだエルヴィンは私服に身を包み、ジゼルに会いたいというピクシスの願いを聞き入れた。調査兵団は良くも悪くも目立ってしまう。余計な接触を心底嫌うリヴァイは駐屯兵団本部に行くのを嫌がった為、駐屯兵団本部には行かずピクシスとはピクシスが指定した居酒屋に行くこととなった。
ジゼルはエルヴィンに仕立ててもらった真っ白なワンピースに身を包み楽しそうに、そして緊張感が滲み出ている雰囲気を漂わせながら歩いていた。ジゼルは新型立体機動装置を完成させるべく寝る間も惜しんで仕事に没頭していた為久々の外出になる、足取りの軽いジゼルを遠目に見ていたリヴァイは少し前を歩くエルヴィンを見た。
「おい、エルヴィン。あいつにあの服を仕立ててやったらしいな。」
「ん?…ああ。似合っているだろう?ジゼルは白が似合うと思ってね。ハンジがドレスをジゼルに買っていたが流石にドレスは…な。私としては見てみたかったが。」
「気持ち悪い。」
「そんな事言うな。久しぶりの非番だ。私だってジゼルに癒されたい。」
「……」
「リヴァイ、お前も似合うと思うだろう?」
そう言って目の前を歩くジゼルを見るエルヴィンを追うようにリヴァイもジゼルを捉えるが通り過ぎる人々はジゼルを見詰め目を見開け次の瞬間には顔を赤くさせる。その光景を見ていれば気分が害するのも当然で。
「まるで見世物だな。金くらい取っても文句はないだろう。」
「まあ、そう言うな。ジゼルは美しいからな。それでいて聡明だ。彼女が人類の希望という重荷を背負っているなんて思いもしないだろうな。」
「重荷、か。エルヴィン、お前はジゼルをも駒にするつもりか?……否、ジゼルは駒にはなりきれねえだろうな。あいつは純粋すぎる。それなのに変に頭を使いやがる。立体機動装置を改造するなんざ俺達には到底真似できない。」
「まさか。手駒にしようなんて思っていないさ。彼女に人類の未来を背負わせているのは事実だが。リヴァイ、人類最強と言われているお前ならわかるだろう?お前がジゼルを支えてあげてくれ。人類の希望を、守ってやってほしい。」