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so ist es immer【Levi dream】

第2章 girl of hope for mankind


「この地はどこの地域よりも食糧難でね。常に食糧不足だと言ってもいいほどなんだ。おまけにいつ死ぬのかわからない調査兵団。税金の無駄遣いだの罵声を受けている私達に支援をする貴族も少ない。資金不足に食糧難で、この献立が限界なんだ。」

エルヴィンが肩を落としながらそう紡ぐ。リヴァイもそんなエルヴィンの声を聞きながら野菜のスープを掬う。憲兵団や駐屯兵団とは違い巨人を目の前にし実践を繰り広げる調査兵団は何処の兵団よりも体力や精神を使う。そんな兵士達には足りないであろう献立。だが誰も文句は言わなかった。否、言えないのだ。

「そうだったんですね、すみません…。ですが訓練の森を少し奥に行ったところに川があります。そこには釣り人に慣れていない魚が沢山いるかと……。」

「ああ、確かにいる。だが兵士130人分の魚を取ってくるのはとても簡単なことでは無い。それにガスは我々調査兵団にとって貴重なものだから成る可く使いたくはないんだ。」

「……」

エルヴィンの言葉に肩をがくりと落としたジゼルに内心驚いたリヴァイだった。ジゼルは地下室に幽閉されていた頃もピクシスの部下によって内密に食料が届けられていたという。ピクシスがあれだけ大切にしている女ならば肉や魚等当たり前のように口にしていたジゼルだろう。だからこんなにも落ち込むとは思っておらず変な女だ、とリヴァイは眉を顰めた。

だが、ジゼルと居ると接していると調子が狂うのは紛れもない事実で。

「我々も兵士達には体力のつく食べ物を与えたいのだが、な。」

「……いつか、いつか人々が調査兵団に資金援助をしてくれる事を祈っています。心臓を捧げて巨人に立ち向かう屈強な兵士達の力にあたしもなれるよう早くに新型立体機動装置を完成させます!」

「はは、そう言ってくれると心強いよ。ジゼル、期待している。」

「はい!任せてください!」

エルヴィンの言葉に力いっぱい頷くジゼルに食卓は明るくなった。リヴァイは空になった皿を見下ろしながらジゼルがハンジと話している内容を聞き流し、席を立つ。人混みが嫌いなリヴァイは食堂で長居する事を好まない事を知っているエルヴィンとハンジはそんなリヴァイに手を上げた。

「エルヴィン、次の会議はいつだ。」

「……会議、か。そうだな、今のところ予定はないがピクシス司令がジゼルに会いたがっている。近々、トロスト区へ向かう予定だ」
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