so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
肩を落としたジゼルにリヴァイは鼻で笑う。先程まで1人で楽しそうに話していた少女が今はこうして申し訳なさそうに肩を落としている。忙しく変わる表情はとても愛らしく見てて飽きるものでもなかったので慰めるかのようにリヴァイはジゼルの頭をくしゃり、と撫でた。
「リヴァイ兵士長、このまま食堂に向かいますか?」
「…そうだな、まだ仕事が残ってるがどうせすぐに終わる。」
「なら、あたしと一緒に行きましょう!あたしもお腹ぺこぺこです」
「ほう、一日中口を開いて喋っていても腹は減るのか」
「なっ!…そんな言い方ないですよ…」
「冗談だ、本気にするな」
目を細めてそういうリヴァイにジゼルは目を丸くさせてその意味がわかったのか頬を膨らませる。その裏表の感じさせない仕草にリヴァイはふ、とまたもや鼻で笑って机の上に置いてある書類を引き出しにしまった。それはジゼルの誘いを受けたという合図。ジゼルは一日でリヴァイとの距離が近づけたことに頬を緩ませる。
リヴァイはエルヴィンやハンジとは違い近寄りにくい存在であった。ジゼルの中では最も近づきたくなかった人物だったがそのイメージは呆気なく崩れ去りジゼルはリヴァイの行動を微笑みながら見詰めていると片眉を上げたリヴァイに気づき首を傾げる。
「お前はいつもそんな風に笑っているのか?」
「?はい。確かに調査兵団に来てから笑う回数がとても増えたような気がします。」
「そうか。此処での生活にはもう慣れたか?」
「はい!みんな優しく接して下さいますし、何よりも新型立体機動装置の設計図を書くのが楽しくてっ。」
「そうか、ならいい。」
地下室にいた頃は話し相手も居ず、笑う事も泣く事も、顔の筋肉すら動かすことのなかったジゼルにとって当初見せていた笑顔はどこがぎこちなく、言い方は悪いが気味が悪い笑みだと内心思っていたリヴァイだったが今のジゼルの笑顔はごく自然で、ジゼルが心の底から笑っているということが見て取れた。
死と直面し最も死亡率が高いこの兵団組織の何処にそんなに笑える要素があるのだと初めは思っていたが、確かにジゼルのその存在が方苦しかった調査兵団を少しずつ柔らかな雰囲気へと導いていったのかもしれない。彼女は人類の希望であり、また調査兵団も彼女の唯一の居場所と化していたのだった。