so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
ジゼルから指名された事が嬉しいのにその口からは思っていることとは真逆の事がつらつらと並べて出てきてしまう。案の定、ジゼルは金色の大きくて丸い目を揺らしリヴァイを見詰めた。
「新型立体機動装置とやらはいつ頃完成予定だ?」
「……まだハッキリとは分かりませんが、」
「ああ。大体でいい。」
「恐らく2週間後、には完成していると思います。旧型立体機動装置の上から新型立体機動装置の新たな機能を取り付ける作業になりそうですから遅くても2週間…だと。」
「そうか。なら2週間後、楽しみにしている。」
「はい!あたし、頑張ります!」
ジゼルは嬉しさに揺れるような微笑みをリヴァイに向けて新型立体機動装置の新たな機能について詳しくリヴァイに話した。リヴァイは聞き流すわけでもなくジゼルの鈴のような心地の良い声音と共に新型立体機動装置の完成を楽しみにしていた。小さく相槌を打ってくれるリヴァイに心を弾ませたジゼルはくすくす、と楽しそうに笑いながらリヴァイと言葉を交わす。
リヴァイはジゼルをレアメタルの破片から助けてくれた人。一度機嫌を損ねてしまえばジゼルからすれば恐ろしい他ないのだが今こうして和やかな雰囲気がリヴァイの執務室に流れてるこの空間に身を委ねるようにしてジゼルは一口、紅茶を口に含んだ。
この彼女の小さくて細い手が新たな機能を作り出し、新たな希望を生み出すというのなら、リヴァイは目の前で愛想良く笑うジゼルに全てを託してしまいたくなった。根拠などない、が必ずこの金色の少女は人類に立ち向かう術を開発してくれるだろうと自信に満ち溢れていた。
「あ!もうこんな時間!リヴァイ兵士長、長々とお話を聞いてくださってありがとうございました」
ジゼルが一人で他愛もない話を繰り広げていたが、その大きな瞳が壁にかかっている時計を見ると目を見開ける。リヴァイもその視線を追うようにして時計を見詰めれば時刻はもう夕方。つまり、夕食の時間。外で訓練していた兵士達が汗を拭いながら次々と兵舎へと入っていくのを横目に確認したリヴァイ。
「ああ」
ジゼルはぺこり、と申し訳なさそうに頭を下げるが気にするな、とジゼルの小さな頭に手を置いた。
「つい長話を…。すみません、お仕事、進まなかったですよね…」
「いや、いい。お前を執務室に呼んだのは俺だ。気にするな」