so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
何故リヴァイがジゼルをガキ呼ばわりするのだろうか、とジゼルは先程のリヴァイの言葉を思い出す。確かにリヴァイとジゼルでは一回り以上歳が離れているがもうジゼルも立派に成人している。リヴァイにガキと子供扱いされるのが嫌で頬を膨らませた。
「ジゼル、新型立体機動装置の調子はどう?」
「あ、もう設計図は完成したので後は開発部と技術部の皆さんと力を合わせて新型を組み立てながら旧型と比較していこうかな、と」
「うんうんなるほど!!」
「取り敢えず、1台。頑張ります!」
意気込むジゼルにハンジはクスリと笑う。こんな小柄な子がもしかしたら人類の希望に成りうる。そんな事、今の今まで考えたこともなかった。でも確かに新型立体機動装置には幅広い未来と希望と夢がたんまりと詰め込まれている。人類の未来がこの子に託されている。
「さ、おたがいがんばろーね!ジゼル!」
そこでようやく到着したおふろ場。ジゼルはいつも部屋に設置されてある風呂場にしか行ったことがないからか大浴場を使うのは初めてで。周りをキョロキョロとさせながらも手慣れたように入っていくハンジの後ろをこうさぎの如く着いていく。
「そーいえばさあ、ジゼルって髪長いよねえ」
「そういえば幼い頃からあまり切った記憶がないかもしれません」
「そっかそっか。でもジゼルの髪の毛ってとっても綺麗、なんかこう、目が離せなくなるんだよ」
そんなふうに言ってくれる人など居なかった為、ジゼルは恥ずかしく感じてハンジに小さく頭を下げ、頬を爪でかいた。腰下まである長い髪。何度か切ろうとしたものの何だか寂しいような気がして中々切れずにいた。
「もう、そろそろ…切ろうかな」
「え?なんでーー?!なんで切っちゃうの!?」
身を乗り上げたハンジにジゼルは苦笑いを零す。そして眉を八の字にさせ水に濡れてオレンジ色になった髪をつー、と触る。
「髪の毛を短く切っちゃうともし誰かに会えた時、あたしだとわかって貰えないかもって思ったんです」
その言葉にハンジは、ああ、と答える。そうだ、ジゼルは、この子は何十年もの間地下室に閉じ込められていたんだった、忘れたわけではなかったけどその話題に触れまいとしていたはずが空回りしてしまったらしくハンジは申し訳なさそうに視線を逸らす、が、次の瞬間にはある一人の漆黒の刈り上げられた髪に鋭い眼光を持つ男を思い浮かべる。