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so ist es immer【Levi dream】

第2章 girl of hope for mankind



「ジゼル、これが立体機動装置だよ」

「ありがとうございます」

開発部へと足を進めればそこに待っていたのは沢山の人達。みんながみんななにやら設計図と向き合い話し込んでいるようだった。そんな中、ジゼルの登場にあるひとりの兵士が立体機動装置を差し出す。ジゼルは初めて触れる立体機動装置に眉根に皺を寄せた。初めてのはずなのに懐かしいその触り心地に忘れかけていた記憶がどんどんと蘇っていくような錯覚に襲われる。

「……冷却ファンを短くさせて、刃を3センチ短く、ガスボンベを丸くさせて、…」

「っ、ジゼル、分かるのか!?よし、なら設計図を書いてくれ。最初は曖昧でも構わない」

「はい!」

次々と浮かんでくる映像。不思議と初めてではないような感覚。幼い頃からずっと一緒だったような気がして立体機動装置を触りながらクスリと笑う。流石はアシュリー博士の娘といったところだろうか。ジゼルはすらすらと迷い線もなく見たこともない装置を書き綴っていく。

これが新型立体機動装置なのか、と恍惚の声が上がるが今のジゼルにはなんにも聞こえてはいないだろう。頭の中の映像が1枚1枚クリアに映し出されていく。昔父から聞いた説明が人類の役に立つ、人類の希望になる、という言葉だけがジゼルを突き動かしていたのだ。

「できました」

作業を始めてから2時間、設計図を書き終えたジゼルがうーん、と伸びをする。いまかいまかと待ちわびていた兵士達はジゼルの声と共に勢いよく立ち上がりジゼルの席の周りへと移動していく。ジゼルの書いた設計図は比較的分かりやすかった。他の兵士達にも分かるように矢印が使われていて心優しいジゼルだからこその設計図に開発部と技術部は笑みを浮かべる。

「よし、この設計図なら俺達にも出来そうだ。新型立体機動装置、取り敢えずは一台!目標にしよう」

そう言い終えた兵士達は忙しなく働き出す。ジゼルはといえば兵士達がほかの方向からも設計図を書いて欲しいというリクエストに応えるべく机に向き直し鉛筆で迷いなく線を描いていく。金髪の腰下まである髪が高い位置で束ねられているのに関わらずその髪は一切の乱れも許さない。

ワーワーと騒がしい開発部と技術部の窓を覗き見たエルヴィンが兵士達の真ん中で忙しそうに動いているジゼルを見て目を細めた。彼女はきっと我々を、否、人類の希望に成りうるだろう。そんな期待を胸にしまって。
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