so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
「お前、硬質化実験の所為で立体機動装置の扱い方がなってねえらしいな」
「……う、」
「巨人化できてもいざと言う時立体機動装置を使いこなせねえ限り壁外では直ぐに死ぬ」
「……はい」
「飛べ」
「……?」
「飛べと言った」
「はっはい!」
リヴァイが顎で訓練の森を指す。どうやらリヴァイが直々にエレンの立体機動装置の扱い方を教えてくれるらしい。エレンが訓練の森に飛んだのを確認するとリヴァイはミカサとアルミンを一瞬だけ視界に入れすぐ様森の奥深くへと消えていってしまった。
そんなリヴァイを遠目から見ていたハンジは素直じゃないな〜、とクスリと笑う。
「分隊長!集中してください!」
とモブリットの声に適当に返事をしたハンジも同様、訓練の森へと姿を消していった。
「エレン、お前正気か」
「すみません…」
エレンの立体機動装置の扱い方が様になっていないとエルヴィンから言われたリヴァイ。確かにエレンの立体機動装置は破滅的に下手くそらしい。訓練兵時代でも最下位、と表記されていてリヴァイらしくもなく頭を抱えた。硬質化実験にばかり時間を費やしていたせいで立体機動装置の扱い方が訓練兵以下、否、それよりも下かもしれない。
「俺が、面倒見てやる。取り敢えず俺に着いてこい。いいか、死ぬ気で着いてこい。じゃないとお前の項を削ぐ」
「ひ、は、はい!」
冗談に聞こえないリヴァイの鋭い三白眼に捉えられたエレンは泣きそうな顔をしながらも背筋を伸ばして答えた。エレンは純粋だ。というより感情がもう素直に真っ直ぐすぎるのだ。そんな素直なエレンの性格を利用したリヴァイは本気で削ぐ素振りを見せる為レアメタルを引き抜き逆手に持つ。
そして余りにも早くてスローモーションのようにも感じるその動き。気づいた時にはリヴァイはもう遥か先へといっていて。アンカーを次々と突き刺し身軽に飛び回るリヴァイにエレンも息を飲みながら着いていった。
「遅い」
「……っ」
リヴァイを追いかけていたつもりがいつの間にか背後に回られていて回し蹴りをカマされる。う、という呻き声と共に落ちていくエレンをリヴァイは木の枝に立ちながら見下ろしていた。それでもそんな頭の端で考えるのは、新型立体機動装置と向き合う金色の少女だった。