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so ist es immer【Levi dream】

第2章 girl of hope for mankind


まるで玩具箱だと思ってしまうようなザワザワといつもより騒がしい食堂にリヴァイは足を止め、明らかに顔を歪ませ自室に帰ろうとした、が、三白眼にある金髪が映り、足を止める。

「おい、あれはなんだ」

近くに居た兵士に声を掛ければその金髪に呆気にとられていた兵士はリヴァイを見て、顔を青ざめさせ敬礼をする。それを横目で見たリヴァイがもう一度問うと兵士は食堂で騒ぎの元凶となっているであろう金色に目を向ける。

「今朝、ハンジ分隊長が食堂に連れてきたんです。アシュリー博士の娘さんだとハンジ分隊長が大声で叫んだので……、」

「で、あの有様か」

鬱陶しそうに舌打ちをしたリヴァイに兵士は小さく頷く。この兵士は新兵ではない、が恐ろしいものは恐ろしいのだろう。リヴァイは基本群れるのが嫌いだ。何をするにも単独行動が向いている。それでなのかリヴァイの周りにはいつもエルヴィンかハンジ、そしてエレンしか居ない。

人混みを嫌うリヴァイにとって今の食堂は地獄絵図だった。その兵士の敬礼を解き行け、と行ってやるとそのまま仲間の元へと走り去る。このまま自室に戻り紅茶でも飲もうと踵を返そうとすれば人混みの中の金色と目が合う。

「あ、リヴァイ兵士長!」

嬉々とリヴァイを呼ぶジゼルの高い声に食堂はシーン、とさっきの騒ぎとはうってつけに静まり返る。ジゼルはそんなことも気づかないのかリヴァイに向かって小さくぺこり、と頭を下げた。

「あ、リヴァイ!!見てよこのジゼルの人気っぷり!凄くない?ねえ、凄くないっ!?」

「…そのガキに戯れるのもいいがもう少し静かにしろ」

ハンジが人混みの中から出てくる。リヴァイは朝から騒がしい兵士達に三白眼を向けそう威圧すれば兵士達は素早く敬礼した。ジゼルが食事の入ったトレイを持ち満面の笑みでおはようございます、とリヴァイを見上げる。

「ジゼル、今日も可愛いよぉお!」

そんな愛らしいジゼルにハンジはぎゅう、と抱き着く。可愛くて仕方がないのだろう。リヴァイは少しボサボサになった金色の柔らかな髪に触れ、ジゼルの神秘的な髪の毛を整える。柔らかくて滑らかなその感触に目を細めた。少しずつ綺麗になっていくジゼルの髪を見ながら満足したようにして眉根の皺を薄くさせたリヴァイ。そんなリヴァイを見て、兵士達は呆気に取られていたのだった。
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