so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
ジゼルはというとリヴァイの気持ちとは裏腹にこれからの生活が楽しみで仕方がなかった。何より人がいて話し相手がいる、誰もが普通の生活の一環としているその日常がジゼルには来なかったのだ。ジゼルが張り切るのも無理はない。
リヴァイに部屋を案内してもらっているあいだ、ジゼルはスキップしそうな足を抑えながらも緩む頬を抑えることは出来なくて足取りは軽くリヴァイの後ろを着いて言った。比較的小柄なリヴァイだがジゼルの身長よりかは10cm程高い。日光を途中で浴びることがなくなったジゼルは常人よりも早くに身長が止まったのだ。本人は全く気にしている素振りはない、が。
「リヴァイ兵士長」
「あ?」
まさかジゼルから話しかけて来るとは思わず後ろにいるであろうジゼルを振り返り、見下ろした。
「これからの生活、楽しみです」
「……ああ。まあ精々頑張るんだな」
「はい!」
「新型立体機動装置を1から発明出来ねえとなるとお前は用無しだ。いいか、組織の足でまといにはなってくれるな」
「……っ頑張ります!」
「…いい返事だ」
そう言えばリヴァイはある扉の目の前で止まる。ハンジから預かっていた鍵の部屋番号通りに着いた部屋は確かにリヴァイの隣の部屋であった。リヴァイはその事に少しの高鳴りを覚えつつも金属製の鍵をジゼルに手渡し、すぐ隣の部屋へと足を進める。有難うございました、とジゼルの声が聞こえたが返事はせず自室に姿を消したのであった。
一方、ジゼルの方はといえば初めて自分に与えられた部屋を見て胸元を掴む。テーブルに、椅子、そしてベッドとどれも簡易的だがジゼルからすれば魅力の塊でしかない。別部屋にはシャワーもついていてどこかのホテルのようだ、と目を輝かせた。
長く伸びた金色の髪を手ぐしで解き、靴を脱ぎふかふかのベッドに横になるとそこからは一瞬で眠気がジゼルを襲った。こんな安らかな気持ちで穏やかな気持ちで眠りにつけたのは一体何年前だったかな、と遠い意識が考えるけれど彼女自身の意識は深い闇の底へと沈んでいくのであった。