so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
「リヴァイ!エルヴィン!!!」
そうやって静粛に包まれていた団長室に至極愉快そうな足音と共に遠慮のえの字もなく扉を大袈裟に開け、結びあげた髪の毛を揺らしながら満面の笑みで現れたハンジ・ゾエ。基、人類の奇行種。
「…うるせえ」
興奮を止めるすべを知らないのか鼻息を荒くさせたハンジにリヴァイはチッ、と鬱陶しげに舌打ちを零しハンジをその鋭い眼光で容赦なく睨む。おお、怖いなあ、と言いつつと全く持って気にしていないハンジは分厚い本を捲りながら調査兵団団長、エルヴィンに近づいた。
「ねえ、見てよエルヴィン!リヴァイ!!!」
「なんだ?巨人捕獲の件なら耳を傾けるつもりはないぞ?」
「んもお、それも大事なんだけど今はこれ!!ほらここ見てよ!この本、この前モブリットが王都に行った時に持って帰ってくれたんだ。随分興味深い本名だったから読んでみたらさ、なんと!!ある事が分かったんだよ!!」
そう言って鼻息をまた一段と荒くさせたハンジにエルヴィンとリヴァイは小さく溜息を吐く。リヴァイは紅茶を啜りながら興奮気味に本を捲るハンジを見ながら言葉を紡いだ。
「クソ眼鏡、お前、遂にイカれたのか?」
口の悪いリヴァイにハンジはゴーグルの奥底で目を輝かせた。だが、ハンジが見せてくれた本を見る限りハンジが何に興奮しているのかわからないエルヴィンも目尻を抑えながら眉根に皺を寄せた。
「ハンジ、この本のどこに興奮しているんだ?」
「ふふふふふふふ、ねえもし…さ、立体機動装置をもっと強固にもっと軽量にそしてもっと素早く開発できる人間が居たら、どうする?」
「…立体機動装置を、か?」
リヴァイは聞いてられねえ、とでも言うかのようにして手元の書類に署名を書いていく。ハンジの言うことは全て現実味を帯びていない物ばかりで聞いているこちらが神経を削り取られてしまうと知っているリヴァイはハンジを空気だと思う事にした、が。
エルヴィンは立体機動装置、の言葉により頭を上げハンジを快晴の様な青い目で大きく見る。ハンジは得意気にゴーグルの中の双眸を光らせ机の上を思いっきり叩いた。
「立体機動装置を開発した人間はもう死んだと聞いたが、」
「アシュリー博士は病でこの世を去ってしまった、けど!アシュリー博士はこの世にまだ希望を残してたんだ!!!」
「希望?」