so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
「リヴァイ、ジゼルはもう成人している。ガキという呼び方は少し、否、かなり失礼じゃないか?」
「ガキはガキだろうが。なんだ、この話をしたいがために俺をわざわざシガンシナ区まで送り付けたのか?」
眉根に皺を寄せたリヴァイにエルヴィンは溜息を吐く。彼の横暴な性格は今に始まったことではないが純潔そのもの、悪くいえば世間を知らないジゼルからすれば彼は恐ろしい他ないだろう。
冷ややかでこれ以上冷ややかな声はないだろうというリヴァイの声にジゼルは肩を落とす。訓練兵でもないジゼルからすればリヴァイはさぞ恐ろしい存在だろうとエルヴィンはジゼルを不憫に思った。
「リヴァイ、何をそんなに苛立ってる?」
エルヴィンはこめかみに手を当てリヴァイを見る。生憎リヴァイも分からないのだ。何故こんなに苛立っているのか。そしてこの苛立ちを抑える術を彼は知らない。少しでも苛立ちを吐き出すようにして舌打ちを零す。
「……何でもねえ」
そう言えばエルヴィンはそうか、とジゼルに向き直る。
「ジゼル、リヴァイの言う通り今日はもう疲れただろう?部屋を用意したからもう休みなさい。また後日改めて話がしたい、いいね?」
「は、はい!」
「うむ。ではリヴァイ、ジゼルを部屋まで送ってやってくれ」
そう行ってエルヴィンは壁に背を預けるリヴァイを見る。その三白眼はなぜ俺が、と眉根の皺をさらに深めさせる。その表情を見たエルヴィンが緊張気味のジゼルに視線を移す。
「ジゼルの部屋はお前の隣だ」
「…了解だ」
どことなくリヴァイの不機嫌なオーラが消え失せた気がした。リヴァイは自分が思ったことは直球になんでも言うタイプだ。我慢なんかしない。リヴァイ本人ですらわからない感情の在処を突き止めたエルヴィンがまさか、とは目を見開く。どうやら見間違いではないそうだ、と苦笑いを零したエルヴィン。
「え、なにエルヴィン、なんでニヤついてるの?」
今まで鼻血を出し散らかしたハンジは鼻血を兵団服で躊躇いもなくゴシゴシと拭うとリヴァイを見て、驚いたように目を見開く。そしてそのゴーグルの奥の目が光る。そして子うさぎの様に不安そうな目で団長を見渡すジゼルを見たあとハンジは頬を紅潮させた。
「た、滾るねえッ…」