so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
「遠慮しないでくれ。此処に連れてきたのは紛れもない私達だ。君が遠慮することはない。気楽にしてくれ」
そう言ってジゼルからミカサやアルミンに視線を移し、敬礼を手で制したエルヴィンは2人には休むように伝えた。長旅で休憩もなしだったのだ。ミカサは最後の最後までジゼルが心配で堪らない様だったが団長命令なら仕方が無いと団長室を後にする。
ジゼルは何が何だかわからなかった。否、ここに来た理由はわかるがこんなに優しい目を向けてくれる人達が巨人と戦っているだなんて思ってもみなくて息を飲み込みながらエルヴィン、リヴァイ、ハンジにそれぞれ視線を映す。
「君が緊張するのも分かる、突然申し訳ない。疲れているとは思うがピクシス司令から報告書が送られてきた。大凡の君の経緯は把握したつもりだ、勝手な事をして申し訳ない」
「あ、いえ…」
「それにしても、」
「……?」
エルヴィンは突然目を細める。その冷酷で非情な瞳からは想像もつかないほどの優しい眼差しを向けられたジゼルは手をお腹の前で組んでどう反応していいのかわからないでいた。
「美しいな、ここまで美しい子だとは思わなかったよ」
そうサラリと言いのけてしまうエルヴィンにリヴァイが大きく舌打ちをした零す。ハンジは鼻血を垂らしながらジゼルの一つ一つの仕草に酔いしれているようだ。まあ、今ここでハンジの質問攻めにあうのも癪だからこれはこれでいいのだろうが、とリヴァイは覚醒した脳で考える。
それよりも、まさか、あのエルヴィンがこんなにも優しい色を帯びながらジゼルを見るとは思わなくてリヴァイは腕を組みながら密かに目を見開けた。それと同時に湧き出る黒い感情。不機嫌さ全開のリヴァイに気づいたエルヴィンがリヴァイに目を向ける。
「なんだ、リヴァイ」
「……いや、何でもねえ」
気に入らなかった、といえば嘘になる。ジゼルに向けられた優しい眼差しがどう意味をするのかはわからないが、リヴァイはこの上ない焦りを感じていた。サラリと美しいと言ってしまうエルヴィンとそれを言えないリヴァイ。この歳にもなって感情の剥き出し方がわからないリヴァイは自分が小さく見えて舌打ちを零す。
「おい、さっさと話を進めろ、エルヴィン。俺もガキも疲れてる」
「……ガキ?」
「ああ、そいつだ」
そういい顎でジゼルを指したリヴァイにエルヴィンは頭を抱えた。