so ist es immer【Levi dream】
第2章 girl of hope for mankind
そんなこんなですぐ到着した団長室。アルミンがとんとん、とノックをする前にリヴァイがその扉を遠慮なく開け放ちずかずかと団長室へと入っていく。その様子に目を丸くさせたジゼルだったが、リヴァイの後ろ姿を見て小さく頬を緩ませた。
「っ、リヴァイ!?リヴァイじゃないか!?」
「黙れクソ眼鏡」
「え?作戦は?失敗したの!?てか他の兵士は?まさ、か…!」
「落ち着け、ハンジ。リヴァイが居るんだ。他の兵士達は無事だろう。で作戦はどうなっ…………、」
ジゼルが団長室の目の前で小さくお邪魔します、と言ったその途端エルヴィンと目が合う。エルヴィンは言いかけていた口を開いたままとめる。リヴァイはそんな魂の抜かれたようなエルヴィンの姿に珍しいものでも見るかのように目を細めた。こいつでもこんな顔するのか、と片眉を釣り上げる。
「…………お、おはようございま、す…?」
どう対応していいのかわからないジゼルは金色の瞳を丸くさせながらもぺこり、と小さくお辞儀する。そんな愛くるしい姿を見たハンジはブブッとあろうことか鼻血を撒き散らす。
「……ひっ」
そんなハンジを目にしたジゼルはここにきてやっと恐怖の色をその目に宿し後退りする。リヴァイはちっとハンジを汚物でも見るかのようにして冷ややかな視線を送る。ハンジは次から次に出る鼻血をとめずニッッコリ笑って右手をあげる。
「ようこそ、調査兵団に!私はハンジ・ゾエ。此処の分隊長だよ。よろしくね?」
「…あ、よ、よろしくおねがいします」
鼻血塗れの顔を見ていられなかったのか俯きながらも深くお辞儀したジゼルにずっと黙っていたエルヴィンが目を見開いた。こんなエルヴィン見た事がない、リヴァイは怪訝そうにエルヴィンを見た、がエルヴィンの青い瞳は小さなジゼルを捉えていた。
「おい、エルヴィン、お前のクソみてえな頭も遂にイカれたのか?」
壁に背を預けていたリヴァイの三白眼がエルヴィンを見る。
「…いや、すまない、取り乱してしまった」
「……」
「君は、ジゼルかな?」
「は、はい。ジゼル・アシュリーです、よろしくおねがいします」
「私の名前はエルヴィン・スミス。調査兵団団長をしている」
「あ、す、すみません…」
相手がまさか団長だと思わなかったのだろうかジゼルは緊張したように頭を下げる。美しい金色の髪がさらり、と揺れた。