so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
そんな殺意むき出しのミカサを阻止するアルミンは最善策をその頭脳で考えていた。ジゼルも調査兵団も大切だ。だからこそ、最善策を。
今にもリヴァイに向かって飛び出しそうなミカサの肩を掴みながらアルミンの頭にはひとつの策が浮かぶ。そうだ、きっとこれなら。アシュリー博士の子供。アシュリー博士の天才的な才能の血を引き継いだジゼル。一か八かの賭けだった。
「……っ、提案があります!ピクシス司令!リヴァイ兵長!」
力強いその声は真っ白な空間に響きわたり、アルミンを見れば見事な敬礼をしピクシスとリヴァイを交互に見据えていた。ミカサはアルミンが何かいい案を思い付いたのか、とアンカーを仕舞うと隣にいるアルミンに目を向ける。
「……なんだ」
「ほう、お主、アルミン・アルレルトじゃな。エルヴィンからよく聞いておる、お主の明確な判断力は良くも悪くも調査兵団の力になっている、と」
上官2人の視線がアルミンに向けられる。この場にいるジゼルもミカサもリヴァイの部下たちもみんながみんなアルミンを見詰める。アルミンは額に汗を滲ませながらぎゅ、と目を瞑り叫んだ。
「し、新型立体機動装置の設計図が無くてもジゼルなら新型立体機動装置を発明できる……かと!」
その声はやけに響きわたり、ジゼル本人も何を言われているのかさっぱりわからなかった。
「このガキにそんな才能があるとは思えねえな」
とキッパリアルミンの考えを踏み躙ったリヴァイにミカサの目が強く光を帯びる。それは殺意の瞳。「このチビ」「いつか償いを…」と言いながらもリヴァイを睨むミカサの視線をするりと交しリヴァイは呆気にとられているジゼルを見る。
「……興味深い名案だな、アルレルト。ジゼル」
「は、はい」
「お主は父の遺した新型立体機動装置を発明できるのか?設計図がないとなれば1からの発明となる。決して楽な道ではない。無理なら無理と正直に申して良いぞ」
「…」
「さっさと喋れ、ガキ。お前のクソみてえな口は飾りか?」
黙り込んだジゼルをつかさずリヴァイが睨む。ジゼルはリヴァイの鋭い眼光を見続けたあと決心したようにして目を伏せる。
「……昔、父に新型立体機動装置の創り方を教えて貰った記憶があります。その記憶がもし人類の希望となるのなら、一度あたしにその任務を受けさせては頂けないでしょうか…?」